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救助

リベリオ街道は森と平原が交互に入れ替わり緩やかな丘陵が連続で続く景観

美に富んだ街道だ、車ならそう思えるのだが馬車には少し辛いかもしれない。

然し100ルークも過ぎると道脇は森だけになって来た、相変わらず緩い丘

陵は続いているが、嫌な予感がする。

緩いカーブを抜けると前方に煙が立ち昇っているのが見えた。

誰かが襲われているのは明白だ、良く有る事なので物取りなら無視な方向で

行こうと思い近付いて行くと現場の手前で馬車や旅人が溜まっていた。

脇をすり抜けて通り過ぎ現場に差し掛かった時にそれが目に入った。

それを見た途端私は切れて我を忘れた、おもむろに車を止めると盗賊に向か

って走り出している私が居た。

数人の男が女性を抑え付け1人の男が上からのし掛かっている。

街道の右側、女性は森に頭を向けて抑え付けられている。

気配を感じたのかのし掛かっている男が顔を上げた瞬間掬い上げる様にレイ

ピアを振り抜いた、其の侭飛び越え躰を左へ捻り着地の前に女性の右腕を押

さえていた男の首を切り飛ばす、左腕を押さえていた男は尻餅を着いたまま

後退ろうとしたが其の侭後へと倒れた、既に首は無くなっているのだから当

然だ。

女性に寄り掛かり死んでいる首無し男の死体を街道の反対側まで蹴り飛ばす。

周りを見廻した時に燃えていない馬車が揺れていた。

(クソが!!)

瞬時に馬車に飛び乗り振り返ろうとした男の尻から頭へレイピアを一線。

レイピアを引き抜き後から男の髪の毛を掴んで馬車の外へと思い切り放り投

げる。

女性を助け起こし馬車の煽り板へと身を預け近くに落ちていたボロの様にな

った服を体に掛けもう1人の方へ、彼女は放心状態で血塗れのままその場に

倒れている、洗浄魔法を掛けて彼女を抱き上げ馬車へと運ぶ。

先程の彼女も見れば同じ状態だ、洗浄魔法を掛けて両腕に抱きしめ声を掛け

た。

「安心して、もう大丈夫よ悪者は全部殺したわ」

泣きじゃくる2人が落ち着くまで付き合い、様子を見て話をし了承を得て私

に掴まらせ総てを元の状態へと戻す為に魔法を行使した。

甘い吐息と共にしがみ付く彼女達に”もう大丈夫よ安心して”と声を掛ける。

これで彼女達が後で泣く事は無くなった。そして彼女達にそっと耳打ちをし

ておいた。

「ちゃんと治癒魔法を掛けて元通りだから好きになった人にあげるのよ?」

この子達は13,4歳の子供?から大人になりかけの子達だ。

離れても大丈夫そうなので、燃えている馬車の方へと歩み寄る、水魔法で消

火した後馬車の向こう側へと回り込んだ、父親は喉を切られて事切れている、

母親は無惨な姿を晒していた、弄ばれた後、腹を刺されたのだろう、既に亡

くなっている、洗浄魔法を掛けた後、治癒魔法で両親の傷は治しておいた。

サラとミラを呼び彼女達にサラとミラのお古を着せ母親に服を着せた後、彼

女達を呼んだ。

哀しい事だが現実を見て置かなければ先には進めない、それだけはどこの世

界も同じだ。

泣き崩れる彼女達を抱きしめ泣き終わるまで付き合った。

それを横目に通り過ぎる馬車や旅人に怒りを感じるがこの世界ではこれが当

たり前だ、自衛しないで襲われる方が悪い、自分の命は自分で守らなければ

誰も助けてはくれはしない嫌な世界だ。

彼女達が落ち着くのを待って残った荷物から必要な物だけを取り出し車に積

み込む、放置は出来ないので連れて行くのは確定だ、リアハッチを開け彼女

達を座らせて、収納から”冷えた水”を出して飲ませ、一息吐かせてから出発

前に聞く事は聞いておかなくてはならない。

「貴女達はどこから来てどこへ行くつもりだったの?」

「リベリオからテレイヤへ行く所でした」

「貴女達の里はどちら?」

「里は判りません、物心付いた頃には旅行商で生計を立てていましたから母

さんや父さんに里の話は聞いていたのですが景色とかそんな話しか聞いてま

せん」

「お歳はいくつ?」

「「14歳です!!」」(綺麗にハモったな)

「親戚とかは誰か知らない?」

「知りません、会った事も紹介された事も無いです」

「じゃあこれが最後ね、貴女達の御名前は?」

「アニエス・ファリエール」

「エステル・ファリエール」

「「です!!」」

両親の埋葬を土魔法で済ませ、お祈りを済ませた彼女たちがこちらへと歩み

寄って来る。

そう、それでいい、これからは貴女達自身で歩かなければ成らないのだから。









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