それぞれの1日
ミレーヌ商会会長室のソファーに身を深く沈めもう幾度目かも判らない、溜
息を吐き悩みに悩んでいるミレーヌの姿がそこには有った。
悩みの種は言わずと知れたメイドの件である。
請求書の内容が決まらない、いや、決められない。
実際あのホムンクルスにはそんなに経費は掛かっていない5歳で買い取り1
5歳まで育てたが今まで掛かった経費など金貨千枚にも届かない金額だ。
「どうしたものか、育て上げてこれからと言う所で手放す羽目になったのは
痛いが強力な後ろ盾の所に嫁に出したと思えば充分お釣りは来る。
しかし、それだけでは商売として成り立たない、向こうは商売をしろと言っ
たのだ向こうに貸しを作ったと思われでもしたら約定を白紙にされかねんが、
商売に支障が出なければここは将来を考えて金額を確定させない方が得か?
利益を換算しても金貨三千枚位が妥当なのだろうが、販売約定の強化をした
方が賢いか?それとも車か?いやいや金貨三千では釣り合わんな、そうだ!
これを手付金に車か?駄目だ!!判らない!!この世に分割払いなど存在し
ない、やはりセリア様が居る内に相談する事にしよう。
そう思い直しまた溜息をつくミレーヌであった。
アリエス達3人はテレイヤでウィンドウショッピングをしていた。
お互いに地元では見た事も無い様な物ばかりで結構楽しめている様に見える
中エレナだけが少し浮かない顔をしていた。
「どうしたエレナ?浮かない顔だな?」
「いやちょっと車に酔ったかも、少し気持ち悪いんだよね」
「あ~お前ずっと寝てたもんな」
「どっかで少し休むか?」
「大丈夫よ、もう殆ど治ってきてるし」
気遣うアリエスにそう返し考えても仕方が無いと頭を切り替え明るく振る舞
うエレナをジッと見詰めるアリエスが居た。
テストーイ大陸南端の地下深い、スプリガンが護る神殿にフレイヤは居た。
「お寛ぎの所失礼致します、フレイヤ様」
「お疲れ様ねバルド、その後の様子はどうかしら?」
「大変言いにくいのですが、セリア様付きのロゼッタから苦情が寄せられて
おります、セリア様の移動距離と速度がロゼッタの倍以上ですので、とても
連絡に戻って来る余裕は無いので何か良い方法は無いかと泣きが入ったとの
事なのですが」
「あぁ~それは可哀想な事をしたわね、気にはなっていたのだけれど何も言
って来なかったから・・・それじゃセリア商会のアンジュに連絡しておくか
ら”すまほ”を2台”フリー”の物を引き取って来て貰えるかしら?
使い方を良く聞いてあの子に1台渡してあげて毎日同じ時間に定時連絡をす
る様に言ってあげてね?もう1台は私に渡して頂戴そうすれば貴方の仕事も
少しは減るわよ?」
「私は別段その様には・・・」
「やらなくて良い仕事はやらないに越した事は無いものよ貴方も苦労性よね、
もう少し気楽にしないと禿げるわよ?」
「・・・かしこまりました」
バルドは恭しく頭を下げると退室して行くのだった。
(そう言えば妖精って禿げるのかしら?)
などと考えるユリアであった。




