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メイドの実力

今日の朝は少し早めに出立した。

帝国第2の都市クルトに所用が有るからだ、私用では無く、商会の公用だ。

これは王族からでは無くアンジュから”帝国第2都市への出店用地の選定”を

してこいとのお達しがあったからだ、とは言え帝都から200ルーク近く有

る、昼過ぎにはクルトを出たいので選定時間を考えれば早朝になる。

順調に旅程を熟し到着したのは10時半、クルトの地理にも詳しいミレーヌ

さんがアドバイスしてくれたのでさして時間も取られずにゆっくり昼食を摂

る事が出来た、やはり旅先の食事は地元料理を頂くのが楽しみの1つだが塩

味一辺倒は勘弁して欲しいものだ。


13時過ぎにはクルトを立った。

これから南東方向へ海岸まで下り海沿いを左折すれば今日の宿泊予定の共和

国第2都市イラリオだ、ただこの街道は隣領のライカのすぐ近くを通ってい

る、海に出る迄は注意が必要らしい、クルトから80ルークは帝国領なので

心配は無いそうだがそこから先は盗賊共が越境して待ち伏せていたりするら

しい、居ても無視して通り過ぎれば良いだけなので心配はしていないのだが。

イラリオ街道は流石に流通主要街道だけあって道は整備されていた。

帝国の検問所を通り過ぎれば暫く町は無い道路脇に鬱蒼と茂る森林群の景観

に飽きてきた頃前方の景色が少し変わった。

倒木が道幅一杯に倒れている、いくら何でもこれでは車でも迂回は無理だ。

ルームミラーで後ろを見ると護衛ちゃんは状況を理解しているらしい、ミラ

ー越しに私に目配せしてきた。

「皆其の侭待っていて頂戴ね、片付けてくるから」

最初は1人でやる積もりだったが護衛ちゃんの目がキラキラしていたので誘

ってみた。

「そこのメイドさんもやる?20人位だけど」

「や・り・ま・す!」

「じゃぁ最初は任せても良いかしら?」

「お任せを!」

話が纏まったので2人で降りるとゾロゾロと森の中から剣を肩に担いでお出

ましになった。

その陣容を見て少し驚いた、獣人だけだと思っていたが人が半数近く混ざっ

ている、内戦状態のライカでは人族は排斥されがちと聞いていたがそうとも

限らないらしい、そうは言ってもやる事は変わらないのだが、ここは彼女の

お手並みを拝見しよう。

そうしている内にゾロゾロと近くまでやって来るとお決まりの口上をたれ始

めた。

「お嬢ちゃん方、その荷車と身包み全部置いてって貰おうか!」

(定番だな、捻りの1つ位は欲しいものだな)

「親方!身包みだけじゃ勿体ないですぜ、こんな別嬪揃い滅多に無いですよ、

女共も全員連れて行きましょうぜ?」

「お?そうか?お前も好きだなぁ、アッハッハッハ!」

「言いたい事はそれだけか?」

「ん?」

「じゃぁ任せるよ、メイドさん」

「了解です!!」

彼女の動きは速かった、あっと言う間に先頭の6人が戦闘不能だ、武器は暗

器。

あっちの世界で言うクナイの様な物の投擲だ、敵は崩れ落ちた6人に足場を

奪われて突っ込んで来れない、その隙に更に6人が倒れた。

回り込む敵は左右に別れて4人ずつ、彼女は車の後方に回り込む4人を迎え

撃つ右上段からの袈裟切りを左に逸れて交わし敵の右脇腹を切り裂く

2人目が右への横薙で払おうとするも前宙返りでそれを躱し首筋にクナイを突

き立てそれを軸に回転の勢いで3人目を蹴り飛ばすと着地し、後へよろめく3

人目を盾に3人目とぶつかって身動きが鈍った3,4人目の左脇腹を両手に持

つクナイで刺した。

見ていると惚れ惚れする戦闘センスだ、敵の動きと弱点を良く見ている”自

分が斬られない立ち位置”を良く理解していなければ出来ない芸当だ。

ん?残りの4人ですか?私が一歩も動かずにレイピアで瞬殺ですが?

そうで無ければ人の戦闘なんて見ていられませんよね?

虫の息が数人居たが、盗賊で女の敵は生かして引き渡す手間も惜しいので全

員先が無い事を確認して放置、いちいち殺す手間も惜しい。

それに結構遠巻きに見ている旅人や馬車が居る、魔法でサッサと倒木を動か

して移動を開始する、何も悪い事はしていないが居心地が悪いのは気のせい

なのだろうか。





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