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彼女の素性

先程の光景の一部始終を観ていたダンジョン管理詰め所の衛士の元へ歩み寄

って行くと、一緒に見物していた冒険者が潮が引く様に割れて行き、遮る者

無く衛士に近づき声を掛けた。

「事の顛末は御存知と思うがあの拾得物の扱いはどうすれば良いだろうか?」

それを聞いた衛士は彼女を呼ぶと首輪に付けられた鑑札を見て応えた。

「この奴隷は共和国で登録、販売された物ですから再登録するには共和国ま

で行かないと駄目ですね、認可証を発行しておきますからあちらの政務院の

奴隷管理課へお持ちください、それが嫌ならこの場でそれを捨てるしか無い

ですね」

それを聞いて周りを見渡す、この場に居る全ての人が聞いている場で”判っ

た”或いは”そうする”だけでは足りない、周りに”捨てない”と理解させるに

は”共和国”を入れないと捨てると思われ纏わり付かれる可能性がある。

性格的に”捨てられない人”であると見破られたセリアは共和国に行かざるを

得なくなってしまった。

衛士にまんまと嵌められたと気付いても既に後の祭りで応えに選択肢は無か

った。

「判った、共和国だな」

セリアは衛士に耳打ちしてから立ち去る事にした。

「ここでの騒動の種を引き受けた分は貸しにしておくからな」

衛士の名前を聞いておく転んでもタダでは起きないセリアであった。

その場を立ち去るセリアの後ろ姿に、その衛士は苦笑いを浮かべて見送っ

たのだった。


クトウを出たのは16日昼過ぎ、お昼ご飯を食べてからの出立になった。

一応話し合う為だがパーティーメンバー3人は共和国には行った事が無いら

しく速攻で同行が決まった、もう”一品”は同行が確定だが聞く事は一つしか

ない”どう言う訳で奴隷になったか”だけだ、名前その他は認可証に書いてあ

る、それで彼女が何者なのかは判った、奴隷になった理由も大体想像が付く

がそれだけは本人?の口から聞いておきたかったのだ。

食事が終わった頃合いを見計らいセリアは声を掛けた。

「それで奴隷になった理由を聞かせて貰えるかしら?」

いきなりで直球だが回りくどい言い方は嫌いだ、助け上げた恩を思えばそれ

位は理解して欲しいと思うセリアである。

「創って頂いた錬金術師様に資金調達の為に売られました」

(これまた直球な回答だな)

「まぁ予想通りな回答だわね」

そう、彼女はホムンクルスだ、いわゆる錬金術師が創った”人”である、男は

重労働用か愛玩用、女は愛玩用として育てられ子供も産めるので不妊の貴族

などには孕袋として使われその後処分されたりして、およそ”人”としての扱

いを受けていないのが現状だ。

人との違いは心の器の大きさの違いしか無い、器が人の3割程しか無いのだ

が人との混血で器は大きくなっていく、最終的には見分けが付かなくなるの

だが大抵呪いが掛けられていて名前を2文字しか付けられなくしてある、当

然彼女の名前は2文字だけの”ミラ”でセカンドネームは無い。

相当あの”屑”に遊ばれた様だが子供が出来なかっただけ僥倖だと思った方が

いいだろう、そうでなければ今頃彼女は生きてはいなかっただろうから。

奴を”処分”しなかった事を今になって悔やんでしまった。

彼女はまだ13歳だというのに。

ここまで怒りが収まらない事はセリアに取って初めての事であった。

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