表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/590

苦渋の決断 

6月5日 晴れ 今日もあの娘はダンジョンに潜っていた、今はベルゼ、何

階層まで行ったのかしら?あの娘の事だから、もうすぐ出て来る頃ね、あの

娘に敵う者などこの世界には居ないのだもの、そこが終われば次はクトウ、

でもクトウだとあの子が変な気を起こさなければ良いのだけど、そうだわ良

い事を思い付いた!シルフに相談する様に仕向けておきましょう、そうすれ

ば他の皆にも伝わるからあそこは大丈夫ね!あぁ早く帰って来ないかしら?

あの娘が近くに居ないと落ち着かないのよね、

そこまで日記を書いてペンを止めたユリアは振り向かないまま、

そこに居るであろう人物に声を掛けた。

「お久し振りです”統括神様”この様な御予定に無い御訪問とは大層な御神託

でも出来たのでしょうか?」

『貴女様に信託などしたら”はずれ”にされた上、笑われそうですな』

「ただの巫女でしか無い私にその様な事が出来る筈もございません、お戯れ

を」

そう言いながら振り向いたユリアはニルズの左耳の上辺りに腕を向けると指

を鳴らした、その瞬間小さく煌めく何かが弾けて消える。

「・・・ニルズ様、貴方は私に鎌を掛けたお積もりなのでしょうが、この場

ですべき発言では無かったようですね、”彼”の雫が付いておりました、やは

り、まだ信用されてはいらっしゃらない御様子、先程の会話を聞いた”彼”は

どう判断されるとお思いですか?・・先の会話に”彼の雫を消せる者”は誰な

のか」

それを聞いたニルズの顔が蒼白に変わって行く。

「ニルズ様、申し訳ありませんが、私は身を隠さねばならなくなりましたの

で今後何か有りましたらセリアにお伝え頂けますか?」

『しかと・・賜りました、”フレイヤ様”』

「あら?私はユリアですよ?”統括神様”・・どなたとお間違いですか?」

『申し訳・・・ありませんでした』





アルリアより南方600ルーク、南の海を望む岸壁の眼下には人には見えな

い遠く果て無く見える魔法回廊が延びている。

人の立ち入りを拒むかの様な未開地のこの岸壁の地下深くにそれは有った。

入口も隠され存在自体を隠蔽された其所の一室の椅子に座り議論を交わす複

数の”人影”がある。

「”あの方”からのフレイヤ様の件はどうする積もりなのだ?」

「お前はどうしたいのだ?」

「それは・・やはりお知らせするべきだと・・・」

「それは本心からそう思っているからなのか?」

「いや・・別にそう言う訳では・・・・」

「フレイヤ様がこの様な現状になった経緯をお前は知らない訳では無かろう

?」

「それは勿論そうだが・・」

「我らは以前移ろい、揺蕩うだけの存在だった。”あの方”はそんな我らに

見向きもしなかった、御自分の感情の赴くままに創り出し捨て置かれたのだ

”哀しみの感情しか持てぬこぼれた欠片”でしかなかった我らを不憫に思われ

”種族”として創り直してくださったのはフレイヤ様だぞ、我ら”妖精族”が

その御恩に報いる事は有るにせよ今の今まで言葉の一つも掛けてくださらな

かった”あの方”にフレイヤ様を売る様な真似をお前はしろというのか?」

「それは・・・しかし命令に逆らえぬ我らには・・」

「幸い”あの方”からは”フレイヤを捜せ”としか言われておらんその命令は当

の昔に達成しておるではないか、我らスプリガンはフレイヤ様の指示で動い

ているのだからな」

そう言われ安堵する皆に向け指示を出した。

「さあ、もうすぐおいでになる頃合いだ、フレイヤ様に”我らが”哀しい思い

をさせる訳にはいかんのだ、出迎えの準備をしようではないか」








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ