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駆け引き

18日この日私はセリア商会の第一線から退いた。

代表はアンジュへ、私は代表権付きの非常勤顧問へと退いたのだ。

代表権の放棄をアンジュが絶対に認めようとはしなかったので折れた、今ま

で書き溜めた企画書を総て渡し暫く来れない事を告げ店を出た。

最初に向かうのはエルフ大使館、 全てを話す為に。


そして全てを話し終え私は今家族3人の前に居る。

父は少し驚いて狼狽えて居るようだが口を開いたのは姉だった。

『これで漸く辻褄が合ったわ、何か隠しているのは判っていたけれど状況だ

けしか判ってなかったものね、それで貴女はどうするの?』

「私の事を総て公表し、先手を打ちます、邪魔をすれば容赦はしないと、私

が大切なのはただ1人ですから、父様とは敵として相対するかもしれない、

のでそうなる前に娘としてお会いして置きたかったのです」

何も言わない父を差し置き言葉を続けた。

「私はこれから冒険者ギルドへ行きカードを更新してきます、それがどうな

るかは予想が付いています、其れを持って高城へ乗り込みます、言い方は悪

いですが王に取引を持ち掛ける積もりでいます、上手く行く様祈っていてく

ださい父様の敵には成りたくは無いので。それでは私は此にて」

恭しく礼をして私は退室し冒険者ギルドへと向かった。

自分の思い描く道へと突き進む娘を見送った母はチラリとレオンを見遣り口

を開いた。

「貴方、私とユリアはセリアの味方ですからね、それを忘れないでください

ね?」

苦虫を噛み潰した様な顔でレオンは言い放った。

『判った、肝に銘じて置く』


冒険者ギルドのカウンターへと進み声を掛けた。

「お久し振りね、ロザリーさん」

『あっお久し振りです、セリアさん今日は何の御用ですか?』

「今日はカードの更新に来たのよ、御願い出来るかしら?」

『はいっではカードをお預かりしますね~』

カードを預けプレートに手を置き、ステータスを出し暫し待つ。

画面を見つつ手を動かす彼女の手が止まり此方を向かずに問い掛けてきた。

『あの~セリアさん、カードに細工とかしてませんよね?』

「してないわよ?多分それで合ってるわ」

『わ、判りました・・・・これで終了です』

「ハイッありがとう・・・ギルド長に報告してきても良いわよ?それじゃあ

ね」

その時のセリアのカードには”無表示”がクラス表示を入れて既に7本になっ

ていた。


高城を左前に見ながら騎士詰め所へと向かう、城壁は完成間近だがまだ高城

には手を付けられてはいない、其れを見てこの国は良い国なのだと思う、民

の暮らしを最優先にするのは良い統治者だ、そんな事を考えながら詰め所入

口の騎士に声を掛けた。

「ルドの森レオン・トラーシュの娘セリア、ニコル陛下にお目通り願いたい」

『暫し待たれよ』

そう言い騎士は奥へと進んで行く。

直ぐに通され執務室へと入ると王は書類にペンを走らせながら口を開いた。

『すまんな、今終わるゆえ待っていてくれ』

数瞬の後王は顔を上げ問いただしてきた。

『それで、何の用じゃ?』

「取り敢えず私のギルドカードを見て頂けませんでしょうか?」

そう言い近づいてカードのステータスを表示すると俄に王の表情が変わった

のが判った。

『それで何が言いたいのじゃ?』

「私はこれからある人の為に命を賭す覚悟で挑まなければならない事が有り

ます、ですので時間も手間も惜しいのです、その為にはこの国から出る事も

有るかも知れません、陛下に御願いが御座います、私の邪魔をしないで頂き

たい、その変わり私の事は公表しても構いません、但し邪魔をされた場合、

国が無くなる事を御覚悟ください」

『いきなりじゃな?レオンは知っておるのか?』

「知っております、父とは縁を切って参りました」

『戯けた事を言いおって、レオンが口では何と言おうとお前を切り捨てる訳

が無かろう』

「既に敵となる覚悟は双方出来ております」

『本気なのだな?』

「愛する者の為に掛ける命に偽りなど御座いません」

『それで何をするのか聞いても良いか?』

「ノームを除く全ダンジョンの踏破です」

『御主!正気か!どのダンジョンも精々30層止まりなのだぞ』

「ノームは単独踏破しております」

『何と!いつの話だ?』

「去年の暮れ辺りです」

『レオンは知っておったのか?』

「いえ、家族には知らせてはおりませんでした」

『判った、その条件を呑もう、周りには周知しておく、開口一番で儂を脅し

て来るとは思わなかったぞ、父親にそっくりだわい』

「有り難う御座います、それでは失礼致します」

王は手をヒラヒラさせ、呆れ顔で私を見送っていた。















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