チョットがっかりしました。
『初めまして、私はティアナと申します、新米ですが神様をやらせて頂いて
おります、宜しく御願い致します。』
と、言いつつペコリとお辞儀をされたので、つい返してしまうのは日本人の
サガなのだろうか。
「はぁ、宜しく御願い致します。」
『まずは一つお伺い致しますが、宜しいでしょうか?』
「はぁ、私に判る事で有ればですが?」
『では、御名前を憶えていらっしゃいますか?』
そう言われ、答えようと口を開けてみたものの言葉が出て来ない。
(えええ? 私の・・名前・・・・・?)
口をパクパクして答えられずに固まってしまった。
その様子で察したのかは判らないが思い出せないその原因らしき事を彼女は
語り始めた。
『その御様子では、憶えていらっしゃらないのですね?無理も無いですね、
何処まで憶えていらっしゃいますか?』
「・・・・トラックに轢かれそうな女性の背中を突き飛ばし彼女を助けた・
・・所までですね?」
『やはりそうですか・・・』
彼女は左手で右肘を支え右手で顎を抑えながら暫く考え込むと再び質問をし
てきた。
『貴方が彼女に追い着いた時、他に何かおきていませんでしたか?』
「・・・起きていた?・・・あの時ですか?・・・」
「・・・確か・・・足元に白い光が・・・・」
彼女は逸らしていた視線を此方へ向けると語り始めた。
『大凡理解致しました、では解説致しますね?
あの時貴方の足元に有った白い光とは転生魔法陣です、あの魔法陣は彼女を
転生させる為の魔法陣でした、貴方が飛び込んだ段階でまだ四割程しか進ん
でいなかったのです。
その時貴方が彼女を魔法陣の外に突き飛ばしてしまいました彼女を認識し発
動した魔法陣は彼女専用でしたので外に出た時点で停止するはずでした』
少し間を置いて涙目になりながら堰を切ったかの様に彼女は喋り出した。
『大問題はそこからです!』
『彼女が外れ、異物が入ったにも拘わらず魔法陣が発動してしまったのです
正直あせりましたし、動揺しました、転生予定先に貴方が居なかったので途
方に暮れました、探しに探してやっと見つけたのが昨日の夜です!』
「・・・私は異物ですか・・・」と小声で言ったが彼女も小声で
『更にビックリで苦労しましたけどねぇ~』と言った言葉に被ってしまいお
互いに良く聞こえなかった。
「えっ?何か言いましたか?」
『えっえっ?、あぁ~別に何でも無いです、
其れよりも貴方の現状とこれからの事を御話しましょうか?』
行き詰まらない限りは早期投稿して行きたいと想います。