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帝都

12日帝国第2王子デニス・バウムガルドは午餐の会を終え自室で紅茶を嗜

んでいた、今日の午餐の会で父が貴族共に見せびらかしていた物を借り受け

今日は出席していなかった妹のクリスタに見せようと、自室に招いてその到

着を待っている所である。

兄のカイルは余り新しい物に興味を示さないが、デニスとクリスタは新しい

物が大好きで見付ける度に互いに教え合っている、何時もなら顔を合わせた

時か言伝で済ますのだが今回だけは実物を見せたくなったのだ、呼び出した

方法もわざわざ蝋をした封書にして渡す様に指示してある、内容も”今まで

で1番驚くからすぐ来い”である、わくわくしながら待つ事数瞬、ドアがノッ

クされクリスタの到着が告げられた。

「おお、来たか!入れ!」

護衛の近衛兵が恭しくドアを開けると今にも飛び付かんばかりに目を輝かせ

たクリスタが立っていた。

「まぁ入れよ」

ニヤニヤした顔でソファーへ促すデニスを横目に済ました顔で席に着くクリ

スタにデニスが囁く。

「お前、期待してるのがバレバレだぞ?」

そう言いつつ近衛兵に退室を促した。

近衛兵の退室を見届けクリスタが口を開いた。

「お兄様こそ、あの様な勿体を付けた呼び出しをされて一体どれ程の物だと

言うのですか?」

「お~ぉ、それ程の物だと言う事さ、見たいか?」

「何を勿体付けていらっしゃるのですか、さっさとお見せになれば宜しいで

しょう?」

「なぁ~にお前のその期待に満ちた顔が面白くてついな、親父も大層気に入

ってる代物だ借りて来るのに苦労したんだ、すこしは楽しませて貰っても罰

は当たらんだろう?」

そんな事を言われて不貞腐れ横を向いたクリスタの目の前にデニスはそれを

ぶら下げた。

「ほれ!手に取って良く見てみろ」

訝しみながらも手に取り繁々と見廻すクリスタだがそれが何なのか理解して

いない様子にデニスが蓋を開けてやる。

「それはその中身が問題なんだよ」

「何ですかこれは、針が2本入ってますが?」

「それはな、1日を24分割して表す魔導具だ、意味が判るか?

太陽が中天に来た時に12を指している、長い針が一回りすると短い針が一

目盛り進む短い針が2周か長い針が24周で1日だ、短い針が”時間”長い針

が”分”と呼ぶだからそれを見れば今の時間は”3時20分”と読むのだ」

「それが何だと言うのですか?1日を細かく割った所で役に立つとは思えま

せんが?」

「何だ、まだ理解していないのか?これを皆が持って見ろ、誰かの家に遊び

に行くのに12時に行くと言えばその時間に間に合う様に行けば良いし、向

こうは12時に来ると思えば間違いないではないか?それにお昼ご飯が毎日

ちゃんと12時に食えるぞ?

朝食も夕食も何時と決めればその時間に合わせて食堂に行けば無駄が無くな

るのだぞ?時計を見てただ呼ばれるのを待つのでは無く自分で行動を決めら

れるのだ、これ程画期的な道具はなかろう?」

デニスは自分が説明していく内にクリスタの目が爛々としていくが良く判っ

た。

「話を聞いていく内にこれの凄さが良く判りました、これはどこで手に入れ

られたのですか?」

「これはな、帝都で1番の豪商がアルリア王国で手に入れて来たそうだ、何

でもこれを売っている店があそこに有るらしい、これはその中の1番安い物

だそうでこれで金貨90枚だそうだ、高い物だと金貨200枚を超える物も

有るらしい、どうだ?興味が湧いてきたか?」

「ええ!とても興味が湧いてきましたわ!」

「そ~か、そ~か!そこでお前に相談なんだが、お前何人か連れてアルリア

に行ってこないか?」

「まさか自分の物を買って来いとおっしゃるのですか?」

「そ~じゃない、その店ごと帝都に持って来い、お前交渉事得意だろう?そ

こら辺のお嬢様連れて観光してくりゃ良いじゃね~か?」

「そんな簡単に行く訳無いじゃないですか、誘うにしてもそれを見せないと

多分、乗っては来ないでしょうね」

「流石にこれを持ち出したら親父に何て言われるか判ったもんじゃないから

無理だな」

「仕方有りませんわね、1つ貸しにしておきますわ、災害の慰問と言う事な

らば経費で訪問出来るでしょう、それで出店の条件は?」

「そんなの考えてね~よ、帝都で商売が出来るんだぞ?貴族共も多いし喜ん

で来るに決まってんだろう?」

「甘いですわね、別段帝都での商売に規制が有る訳では無いのですからやる

気が有るなら当の昔に出店してますわよ、交換条件は要りますわね」

「わかった、わかった、お前の好きにしろ親父には俺から言っとくが嫌とは

言わんだろう」

翌13日クリスタは慰問の形にして侍従を連れアルリア王国に向け出立した。







明日、明後日は2話投稿です。

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