開戦
食後に色々と聞いてみたらわざわざライカから戦争に参加する為に来たらし
い、強い奴と戦いたい只その一心で来たのだそうだ、何故あたしの居る所が
判ったのか聞いてみたら、垂れ流しの魔力を追って来たそうだ、途中で切れ
たが勘と匂いで辿り着いたらしい、車の方は要点検だな。
2人ともあまりにも暇なので剣の修練でもしないかと誘われてやる事にした、
車のドアを開け中から取り出す振りをしてレイピアを取り出し、久し振りの
修練なので最初はゆっくりスタートする事を御願いしてステータスを確認し
てから始める、20分ハーフ10分休憩を延々繰り返し、昼食を挟んで再開
したが3時頃に彼女からストップが掛かった。
『スマン!ちょっと待った!』
『ペースを上げて行くとは言ったが申し訳ないがもう付いて行けんこの辺が
私の限界だ!』
言われて見れば確かにレイピアとバスタードソードでは無理が有るかと思い
車から取り出す振りをして、同じ様な剣を創って出した、最初は付いて来た
彼女も日が沈む頃には根を上げたのでその日は2人共疲れ果て、彼女を荷台に
寝かせて朝までぐっすりと眠る。
12日の昼過ぎアルリアの軍指揮所は焦っていた、10日に放った斥候伝令
兵から今日に至るまで敵発見の知らせが無い、テレーザから北上した斥候伝
令すらも発見に至っていない、索敵も精々半径5ルーク、予想では中央軍は
今日の昼前にはテレーザに姿を見せる筈だった。
本部の会議席に座るユベール将軍が真っ当な答えを呈した。
「予想進路以外を南下していると言う事だな、妥当な所で各城砦都市の中間
辺りだろうて」
『そうなのでしょうが各ルートの斥候を向かわせても捕捉は絶望的です』
レオンの説明に最適地での開戦は絶望的となった事が知らしめられた。
ボソリとパトリス将軍がレオンに問う
「では、どちらに来ると思うのだ?」
『ヤマを張れと?』
「其れしかあるまいて」
レオンは暫く黙考してから答えた。
『あちらの司令官がまともであるなら南南西でしょう、南南東はベルゼ、テ
レーザ間に距離が有りません発見率を下げるなら南南西でトール近郊を王都
へのルートでしょう』
「と言う事は距離と時間的に既にトール近郊と言う事か!
全軍トール方面に出撃命令を出せ!!急げ!!」
その時ゴブリン軍はトール近郊まで5ルーク、アルリアまで半日、25ルー
クまで迫っていた。
セリアに父から念話で連絡があった、トール近郊に敵が居るらしく王都に被
害が出る可能性が高いと言ってきたのだった。
(そんな事は許されない、トールまでならここから95ルーク飛ばさなくて
も2時間弱、行くしかないな)そう決めるとエレナに声を掛けた。
「エレナ!戦争に行くぞこれに乗れ!!」
『おぉ?何処へ行くんだ』
「トールだ!いいから乗れ!!」
ドアを開けて尻を蹴飛ばして無理矢理乗せた。
『トールじゃ着いたら終わってるんじゃないか?』
「大丈夫だ、お日様が横に来る迄には着く、ちゃんと捕まっていろ!」
『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』
「喋るな!口を閉じてろ!舌を噛むぞ!!」
(ん~?160キロ位は出そうだな)
トール近郊に到着したのは2時半、ゴブリン軍から2,5ルーク、到達まで
30分、アルリア軍から5ルーク、到着まで1時間、の地点である。




