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心の深淵

久し振りにこの地域に立ち寄った、上手くやってくれるだろうと期待してい

た私が甘かった、総てが無駄になる訳では無いがこうもミスが続けば私の威

信に関わる、何とか手を打たねばなるまいが、”総てを丸く収める”為の打つ

手が思い付かない、もう辞めてしまいたい・・・兎に角奴が来なければ状況

の把握も侭ならない、光明が見えればいいのだが。

そんな思考を察してか当の本人がお気楽そうな笑顔で戻って来た。


『お待たせしました~お久し振りです、統括神様~』

「久しいなティアナ、早速だが指示内容の遂行状況の説明を頼む」

『え~最初に指示のあったゴブリンは戦になる様思考誘導致しました』

「それで?」

『は?、それだけですが?』

「・・・・・戦力はこれ位とか、現場司令官に余計な事を考えるなとか、隣

国に手薄なゴブリン国を攻めるなとかの副次誘導はしたのか?当の本人には

参戦せざるを得ない様なタイミングで指示したのか?」

『いえ、ゴブリン領主だけと当人にはすぐに伝えましたが?』

「・・・そうか、判った・・・」

(指示書を作るより私がやった方が速いかも知れんな、さてどうしたものか)



9日昼過ぎ、ゴブリン中央軍を指揮していたイーベ将軍は軍の進行を止めて

いた、クレア山より10ルークの距離に留まり幹部を前に黙考している。

(クレアの麓には敵の斥候が密にいると報告を受けている、とすれば敵は侵

攻を予測、若しくは知っていた事になる、問題はいつ知り得たのか・・出陣

から4日、王都まで5日、予定日には待ち構えている可能性がある。

災害より警戒態勢を敷けば既に21日、エルフが駐屯していてもおかしな話

ではない、とすればエルフは西、アルリア本軍は東・・・この軍勢での進軍

形態では蹴散らされるのは目に見えている。

「レッドキャップ二名とプリーストを三名呼べ」

総指揮官であるイーベ将軍はそう部下に指示をした。




9日、日が沈んだ頃、アルリア騎士詰め所に置かれた軍指揮所では俄に慌た

だしくなっていた。

「何処も駄目なのか?!」

伝令兵に詰め寄っているのはアルリア駐在大使のレオン・トラーシュだ。

『ハイ、先程から試みていますが、何処にも繋がりません!』

「済まんが少し続けてみてくれ」

そう言い捨てると指揮本部へと移動した。


本部へ入ると椅子にドッカリと座り正面に座るユベール将軍に視線を向けた。

それを受けユベールが口を開いた。

「やはり駄目か、定時連絡が無いと言う事は総て掃討されたと考えるべきだ

ろうな」

「そうですね、今判っている情報は中央に現れた敵が一万二千で南下中と言

うだけです」

レオンの言にパトリス将軍が続けた。

「斥候を放つにしても索敵、念話が出来る兵はもう居ないぞ?」

その指摘にレオンは少し考えてから案を絞りだした。

「中央は都市軍がおりますから伝令もあちらに任せても宜しいかと、エルフ

軍に関してはあちらに斥候に出て貰います。連絡に関しては其方に居られる

エマ・ララーシュ少佐(姪っ子)が念話を使えますので御願いしたいと思い

ます、北東方面は私に当てが在りますので其方に頼みます」



夜、風呂から上がりノンビリしていると父から念話が有り、大使館へと呼び

出された、うちの家族は全員念話を使えるが普段は使わない事にしている、

所構わず繋がる念話は相手の事情を察しない、例え会話をしなくても念話が

繋がった事がお互いに判ってしまうからだ念話を使ったと言う事は其れなり

の事情が有る事を意味している事を理解し大使館へと向かった。

「遅くなり申し訳ありません、お風呂に入っていたもので」

そう言いながら応接室に入ると、そこには家族全員が集められていた。

「すまないな、遅い時間に呼び出してしまって」

と言いつつ着席を促し、口を開いた。

「突然ですまないが誰か一人、明日明け方より北東方面へ敵の斥候伝令に出

て欲しい、場所はアデーナ東方イネスの町、期間は4、5日撤収通知が有る

までだ」

皆を見廻す父を見て真っ先に手を上げたのは姉のユリアだった。

其れを見た瞬間、姉の出撃を何故か猛烈に否定する”私”が居た。











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