真打ち登場
食事を済ませ、ハーブティー?のお代わりを煎れて貰った。
(今度は熱いのを頂きました)
一息吐くとまだ名前も知らない女性に(多分母親なのだろうな?~ ユリア
さんと余り歳の差を感じないが)
「まだもう少し横になっていなさい、その方が魔法の効きも良くなるわ」
と言われたので今はベッドの上で横になっている、あまり眠くもないので目
を瞑りつつも記憶の限りでの状況整理と現状把握をする事にした。
(あの時、トラックに轢かれそうな女性を助けようとギリギリで彼女の背中
を突き飛ばし、彼女がトラックの走行線上から外れたのは憶えているがあの
時の記憶はそこまでだし、私はあの状況では間違い無く死んでいるよな?
現状この場所があの世とはとても思えないしあの世で治癒しても意味はある
のか?鬼の責め苦が在るなら判らなくもないが目覚めの一発がコスプレエル
フでは異世 界転生が妥当なのだろうな・・・・
しかし、綺麗な子だよなぁ~透き通る様な白い肌に少しグレーが入った様な
ストレートロングの白い髪、ノースリーブのワンピーススカートに少し幅広
のワンポイントの付いたベルトを後ろで締め襟元が大きく開いていて・・・
・・・てっ お~い!今の俺と同じ格好じゃないか! 急に顔が火照ってく
るのを感じ、枕に突っ伏し思考を放棄した。
『聞こえ・・か?』 『お~い 聞こえますか?』
『聞こえたら返事をしてくださ~い、お~い!』
(ん~?・・・・またあのお姉さんかな~?)
まだ眠いが邪険にはしたくないので枕に突っ伏したまま手を挙げて何とか
返事をする。
『すみませんが、此方を向いて頂けませんか?少しお話したい事が有るので、
そうして貰えると助かります』
「ハァ~イ」
と間延びした返事を返しながらベッドの上に女の子座りで起き上がる目を
開けた瞬間、またしても全速力でベッドの上を後退る事になるとは思いも寄
らなかった。
薄暗い中、目の前のそれは浮いていた、羽根が有るのに羽ばたきもせず
「どどど、どなた様でございましょうか?!」
(も~驚かね~ぞ~と思っていたが流石に白いのが浮いていると日本人とし
ては怖いものがあるわ~・・・・・が、足は有るよな・・・)
『あぁ~、御免なさいネ~ビックリさせちゃって~幽霊じゃ無いですよ~足
もちゃんと有りますからネ~』
(俺の思考を読んでるのか!?)
『はぁ~い、読んでませんよ~、貴方の視線がそう言ってますよお~』
(読んでるじゃね~か!!)
おじさん、ちょっと壊れてきております。