店舗オープン
で。午前中掛けて行ってきました、川へ。
採れた量はバスケットボール位と言えばお判りでしょうか。
採れた硝子で時計の表示盤カバーを作り魔法で合体、第一号を完成させる。
商会オープンまで一週間、ひたすら時計とカレンダー創りに没頭した。
時計はケースを金・銀・銅・鉄・ステン・プラチナで彫金模様をあしらって
個性的にし、カレンダーはスタンド型の差し替え物と壁張り一枚物、六枚綴
りと十二枚綴りの四種類、それとポンプも4つ程造った。
ここであたしは画策した、向こう側と同じでカレンダーに”一週間”を入れ込
む、休日は大事です、休日は。
そしてオープン前日、今日は現場作業員です。
頼んでいたショーケースに段々畑みたいな陳列品を創って、ガラスを取り付
け商品並べて、さあ完成です。
午後からあちこちに告知を張り出し準備万端明日が楽しみです。
オープン当日代表代行を紹介すると言う事で少し早めに出社し代表室へ、
ソファーに座り紅茶に一口付けたら二人が入ってきた。
『あら?早いわね、おはよう』と
エルザさんが言ったので挨拶を返しながらもう一人を見ると何処かで見た様
な???記憶を探って名前を紡ぐが返事は無かった。
「アンジュおば・さん??」
『・・・・・・・・・・・』
此方をジッと見詰めて黙っている。
「アンジュお義姉さん??」
『お久しぶりね、セリア!元気そうで何よりだわ!』
そうです、この人は母の妹、あたしより十歳上の叔母である。
母が若くして結婚し、程なくして子供が生まれ暫くは里に居て何度か会った
事は有ったが、なかなか結婚出来ない事に居たたまれなくなり”私は冒険者に
なる”と何処かで聞いた様なセリフを吐き出て行ったきり音信不通になってい
ると聞いていたのだ、何十年振りの再会である。
直ぐに判らなかったのも、昔の朧気ながらの記憶と顔以外の容姿が全く違っ
ていたからだ。
髪をアップに上げ、眼鏡?を掛けリクルートのタイトスカート風でサイドに
ガッツリ、スリットが入って靴はミドルヒール、何処から覧てもどこぞの秘
書である。
その舐める様な視線に気付いたのか、自分の姿を見やり説明を始めた。
『これはエルザ氏の普段の仕事に対する姿勢と服装を参考に、私なりに答え
を出した服装なの』
(あ~~参考にしたのはチャイナドレスだな~)
時間も無いのでエルザ商会に入った経緯はその内聞いてみよう、その内ね。
さてオープンです。開店前から行列が・・なんて事は無いです、ぽちぽちと
庶民な方がカレンダーを買いに来ます、一番安い一枚物です、皆さん揃って
”一週間”表示の事を聞いてきます。
その応えには”一週間に一日、赤い日にはお休みしましょう”を推奨していま
すと説明した。
但しこのお店は従業員が八人居るので交代制でお店は無休です。
今日の日付が判らない人も居るのでお店先には毎日今日の日付と曜日を差し
替える事にした。
時計はやはり貴族が来てぽちぽちと売れて行く、高額商品はそんなものだろ
う、何せ金貨百枚前後なのだから。
その内高城が直ったら庶民向けの大時計でも付けて貰うのも良いかもしれな
い。
などと考える余裕を見せながら今日一日は店番で終わったのだった。




