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下準備

取り敢えず資材の調達と人員確保を指示して商会を出た。

準備するのに今日一杯掛かるので仕込みは明日の朝になる、取り敢えずこち

らにもやる事が出来たので炊き出し場まで戻る。


此方の世界に時計は無い(!)ので、太陽の位置で大凡の時間を把握する。

(大体10時頃か、丁度いいかな?)

戻ればドンピシャ(古いわ!)休憩中、近付きながらもう一人の方に声を掛

ける。

「やぁエルミー、元気してた?」

〖わぁ~ぁ!セリアだぁ~〗と言いつつガッパリ腰に抱き付いてきた

(ブンブンしっぽが幻視出来そうだわ)

この忠犬反応に、アリエスを見遣ると顔を背けてクスクス笑っていた。

(コイツわざと来てるの言わなかったな)


アリエスとエルミーは、昔ルドの森で魔獣討伐の増援を冒険者ギルドに

依頼した時に訪れたSクラスの冒険者で、あたしも参加しその時仲良くなっ

て以来の付き合いだ、アリエス・シャレットは魔法剣士で付与術師のダーク

エルフ、エルミー・コレットは魔法神官だが明・闇二刀流(多分この世界に

一人)、ダークエルフとハイエルフのハーフエルフ?で一部地域では超有名

人で博物館クラスの稀少種だ。

いつもこのメンバーが集まると何時まで経っても姦しいのだが、今日はそう

も言ってられないので早速本題に入った。

「アリエス、悪いがこの仕事は明日は休んで一日だけエルザ商会の公共仕事

に入ってくれ、アンタでないと駄目なんだ」

『わたしでないと駄目と言う事は付与の仕事だな?』

「正解だ!特別報酬付、半日仕事だが、クタクタになるから覚悟してくれ

(笑)」

話が一区切り付いたので、抱き付いてニマニマしながら上を見ている忠犬の

相手をする事にした、さっきから裾を引っ張って鬱陶しかったが無視してい

たのだ。

チラリと下をみると期待に満ちた顔で自分の顔を指差している。

「ああ~ゴメンよ~今回エルミーには用は無い(落として)んだ、その内

(未定)大好きなケーキを好きなだけ奢ってあげる(上げる)から許して欲

しいんだけど、駄目かしら?」

これで食い付かないエルミーではない、一発でOKである。

(この世界にギャップ萌えがあるかは知らんがこの顔では折角の美少女が台

無しだな)

その後は暇なので昼食の準備を手伝ってお昼ご飯を食べさせて貰い二人と別

れた。


父と母の話の行方も気になるが、焦っても仕方が無いので商会の仕事と自分

の趣味を優先する事にして(駄目かもしれないが)、東門方向へ向かう。

外周路十二番(十五まで有る)を左に曲がり左側四軒目{ロゼッタ魔法店}

有るには有ったが予想通り前半分が総崩れだった。

(あの人が死ぬ訳無いよな)と思いながら眺めていたら、奥の部屋から当人

が出て来て見留めるやいなや文句を言われてしまった。

『そんな所でボサッと突っ立ってないで瓦礫を何とかしておくれ!!』

人使いが荒いのは何時もの事なので溜息を吐きながらも魔法で店の前に

分別山積みしておいた。

『おお~すまないね~助かったよ、商品野晒しは不味いからね~』

「アンタの所に盗まれる様な金目の物なんて置いてないだろう?」

『何言ってんだい、あたしが売れると思ったら総てが金目の物さね』

(確かにそうだわな)

と思いながら時間も惜しいので本題に入った。

「それで、何か入ったかい?」

『それに関しちゃ入ってないね』

「と言う事は他のは入ったんだな?」

『ああ、鉱石各種、数はバラバラだが裏庭に箱詰めで山積みしてある、収納

持ってんだろ?手伝ってくれた分は差っ引いてやるからとっとと持って行き

な、邪魔で仕方が無いからさ』

了承の言を伝え、金は商業ギルドから貰う様一筆したためギルドカードを置

き、魔法転写して渡した、金額は明示していない、高い時は高いと言うので

そうでも無いのだろう、何時もの事だ。

因みにこの王国に有る魔法店の店主に、理由は知らないが男は居ない。

そしてルイーゼの魔法店のエルザの姪っ子がエルザ商会の会頭だったりする。

だから(エルザ婆と呼んでいたりするのだが)名前を引き継ぐなんて紛らわ

しいので止めて欲しいものだ。



欲しい物も手に入ったので早々にテントまで戻り、留守番の御者に、帰りは

夕刻になる事を伝え、小高い丘を越えた辺りの林の裏まで移動した。

索敵魔法を放ち、人の有無を確認後仕入れた木箱を総て出す。

「さてと、錬金を始めますかね」
















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