暖かな微睡みの果てに
『・・・・』『・・・・』ん?・・誰かが呼んでいる?
眠い・・・もう少し寝かせて・・・・・
「セリア!、セリア!」
誰?・・・人違いで起こさないで欲しいなぁ~まだ眠いし~
「セリア!、セリア!」
むっとしたので目も開けずに私の躰を揺り動かしている手を払い除けた。
「ちょっとやめて貰えませんか、私はセリアとか言う人じゃありませんよ!」
「え?、え?、え?何言ってるの?セリア?大丈夫?私が判る?ユリアよ?」
まだ眠いのにと思いながらも瞼に暖かな陽射しを感じ目を開けた。
見慣れない天・じゃ無くて、見たことも無い顔がそこには有った。
ザザザッ、と派手な衣擦れの音と共に後退りぶつかって壁が有る事に気付い
たがそれ処ではない。
「だだだ、誰ですか?、貴女は?」
流石にこの歳まで女っ気が略無かったので当然のヘタレな反応なのは仕方が無
い、全く無かった訳でもないが手痛い経験はなかなか薄れてくれないものだ。
「誰ッて、貴女のお姉ちゃんじゃない、貴女、神依の儀式の途中で倒れたまま
ひと月も目を覚まさなくて、痩せてくるしもう駄目かと思ったわ・・・」
彼女は胸の前で手を合わせて握り、大粒の涙をぽろぽろと零しながらそう言っ
た。
何を言っているんだ、私に姉など居ないし、ましてやこんな年下の姉など有る
はずが無いし新手の美人局か?いやいやいやこんなコスプレ紛いの美人局なん
て有るはずが無い、ドッキリ・・・の筈も無し。
さっきから心臓がバックバクで思考が上手く纏まらない。
落ち着け~俺、落ち着くんだ~「ス~ハァ~、ス~ハァ~」
駄目だ~思考言語に品が無くなってる~。
少し落ち着き彼女の顔を良く見れば顔の両脇に付く尖った物に気付く。
「とと、所でその耳ッて奇麗に付いてますね?」
「何を言ってるのよ?貴女だって同じじゃない?」
「は?」
そう言われて両耳を触り、両腕を上げる時に胸に
違和感を覚えて下を向いた瞬間に
私はまた気を失った。
サイトの使い方が良く判らないので次回投稿は来週辺りになると思います。