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扱いに苦労する相手

 PM13時30分、村長宅前、南に広がる鬱蒼とした森林を眺め、セリア

は悩んでいた。

「姉様はこんな鬱蒼とした森林をどうやって抜けて行ったのかしら?あの人が

歩く訳無いし、飛ぶなんて目立つ事する訳無いものね、やっぱり聞くしか無い

か」

 セリアはスマホを取り出すとユリアに電話を掛けた。

「え?あちゃ~タイミング悪いわね~」

 電話中であった。因みにこのスマホには着信通知機能は付いていない。

その後ユリアのスマホに繋がったのは夕方16時半を回った頃であった。


「あっ、姉様、私です、長かったですね」

{えぇ~そうね、13時からだから3時間半かしら}

「母様ですよね?」

{そうよ、父様が帰って来るまでね~流石に疲れたわ}

「所で姉様、そこへどうやって行ったんですか?歩いて行った訳じゃ無いです

よね?」

{こんな所まで歩く訳無いでしょ?瞬間移動よ、テ・レ・ポ-・ト、行った事

が無い所には行けないけど、私が知っている場所に貴女に来れない訳無いじゃ

無い、位置のサポートはしてあげるから飛んできなさいな}

「遣った事が無いので今一要領が掴めないと思うのですが?」

{私の顔を強くイメージして”そこへ行く”と念じれば来れるわよ、私にボディ

ーアタックされても困るから出現位置は私の目の前にずらしておくわ}

「では3分後に、メンバーにその旨伝えてきますので」

{判ったわ}


村長宅へと向かい、思い思いの場所で雑談をしているメンバーに向けてセリア

が声を上げた。

「私はこれから目的の場所へと行ってくる、残念だが今回は誰も同行は出来な

い、今日中に戻れるかは不明な為、本日はこの村に逗留する事とする、私の留

守中の事を宜しく頼む、以上だ!」

「お待ちください!是非同行を!」

「ニナ、勘違いしないで、同行させないでは無く、”同行出来ない”なのよ、そ

の理由を今この場で見せてあげるから、見送って頂戴ね?」

ニナを諭して目を瞑ったセリアは、数瞬の間を置いた後に忽然と姿を消した。






「ねえ、ブラウニー、あの巫女放って置いても良いの?貴女の魔法、破られた

んでしょ?」

「そうみたいね、オートセーフティーの魔法で1番安全な場所に移動していた

にも関わらず、あれだけ厳重に、何種類もの保護魔法を掛けて、尚且つ何重に

もトラップを仕込んだのに、対策が打てない程にあっという間に突破されて行

ったのよ。

御陰であたしの頭の中はアラートが鳴りっぱなしだったわよ、あたふたしっぱ

なしで泣くしか無かったわ、そんな相手にあたしが何が出来ると言うのよ、返

り討ちにに遭ってお終いに決まってるじゃない」

「でも、祠使えてるよね?」

「だから何もしないんじゃない、使えると言う事は巫女がまだ生きていると言

う事よ、と言う事はあたし達の力を奪おうとしている何者かとは違う者の可能

性が有るわ、保護魔法が無くなった事で祠の機能も以前と同じレベルで稼動し

ているわ、御陰で遣れる事も増えてる、魔法を解いた者が敵で無いことを祈る

しか無いわね、それとあたしの事ブラウニーって呼ぶの止めてって何度も言っ

てるでしょ、ちゃんと名前が有るんだから名前で呼んでよね」

「何だっけ?」

”テヘペロ”しているのはドライアドのトリネコである。

「メアリーよ!いい加減覚えなさい!」

「だって、私、自分の名前が嫌いなんだもん!」

「あんたの都合にあたしを巻き込まないで欲しいわね!」



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