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鍛練開始

家へ戻って直ぐ、気を落ち着かせる為に思案していると何故か脳裏に

剣や弓などの武具類が頭の片隅を過る。

昼にはまだ全然早いので、鍛練の為の道具は何か無いかとアリアさんに聞

いた。

『貴女の武具を使えばいいじゃない?』

とあっさり言われてしまった。

置いてある場所も判らないし、自分用の物かも判らないので、自室?のベッ

ドの上に疲れたふりをして横になりユリアに声を掛ける。

「ねぇユリア、武具の手入れをしたいんだけど少し怠くなってしまって動き

たくないのよ、使って悪いんだけど、そこのテーブル迄持ってきて貰えない

かしら?」

『えぇ、良いわよ手入れ道具も要るわよね?』

「えぇ勿論!出来れば御願いしたいわ」


そして運ばれて来たのは、革製の小手、脛当て、左胸当て、ベルト、レイピ

ア、六連射ボーガン、矢筒に矢20本、数色の結晶ブロックが四個だった。

手入れ道具はぼろ布二枚に何やら少し匂う(多分動物の)脂、直接匂いを嗅

げば少し顔を顰める位だが気を取り直して小手から順に総てに塗り込んで馴

染むまで時間を置き、拭き取っていく、丁度手入れが終わった頃にお昼ご飯

の声が掛かりダイニングへ移動した。


お昼のメニューは朝食と同じ野菜サラダと透明に近いスープで煮込まれた肉

じゃがの様な煮物、味は大体想像が付いたが、塩味にハーブを一緒に煮込め

ば結構アクセントが効いて良い味になるのだなと初めて知った、そして定番

のハーブティー、これは注がれる前に気が付いた、シナモンティーだ、ここ

で先程食べた肉じゃが風の煮込み料理のハーブはシナモンだと解った、塩味

に肉煮込みはシナモンが定番だと確か何処かで・・・

(うろ覚えの知識だけしか無い所が何とも哀しいが・・・)

などと考えながらシナモンティーをチビチビ飲んでいるとユリアさんが不思

議そうに聞いてきた。

『ねぇ?何故突然鍛練するなんて言い出した訳?』

「べべっ別に深い意味は有りませんが?」

『だって貴女リハビリが絶対必要な怪我をした時だって魔法使いに肉体強化

なんて必要無いって言って鍛練もしなけりゃ武具なんて納戸の肥やしにして

たじゃない?』

「いぇ、こ今回は流石に堪えたので少しは鍛練をしようかなと思っただけで

すが?」

『ふ~ん、まぁどうでも良いけどね』

(ふ~、危ない、危ない精神的に魔法初心者ですなんてバレる訳にはいかな

いわ~)

人前で魔法を使う事は本当のセリアの実力を知らないし実力差が有った場合

に問題が出る恐れがある、強力な魔物が居る事が解った以上武器の腕前も上

げておかなければいざという時に対処出来ない、出来る事は全てしておくの

が成功の秘訣だと働き始めた頃にはよく言われた、ボロを出さない為にもシ

ナモンティーをゆっくり味わう余裕も無く、そそくさとレイピアを持ち、家

の右隣の空き地へと移動した。


家の周りの木立はそれ程背が高くは無く枝葉が丁度目の前迄下がっていて細

い枝葉は程良く揺れている、その葉っぱを綺麗に二分割しながら徐々にスピ

ードもアップさせて行く、柔、剛の上腕筋力と体裁きによる下半身の強化に

最適な練習法なのだが、これが結構キツい、いくら細身のレイピアと言えど

もそう長くは続かない。

筋力バランスを取る為、右腕、左腕を交互に10分間隔で持ち替えながら鍛

練を重ねていく、最初は少し辛かったが徐々に躰も馴染んできてスピードも

アップしてきたその時

『セリア、一寸休憩なさいな、いくら何でもやり過ぎよ』

アリアさんがティーカップをトレイに乗せて声を掛けながら近付いてきた。

『冷やしてあるから、速く飲みなさい温くなっちゃうわ』

そう言われて振り向くと、周りの景色がオレンジ色に染まり始めていた。









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