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外界

来客が帰った後、少しでも体力を戻すため少し散歩をする事を二人に伝える

と気に留めたのか、ユリアが介添え役を務めくれた、外に出ると、少し眩し

くなり始めた太陽光に手を翳しながら辺りを見廻す、家の前はプールが縦に

スッポリ入る程何も無く、その向こうには、真っ直ぐな道を挟む様に両脇に

大樹が立ち並び30メートル程幹を空へ伸ばしている、5メートル程上から

幹の間に吊り橋が彼方此方に伸び、住居が幹の中に掘られトラーシュ家と大

樹を鬱蒼とした森が取り囲んでいる、立ち止まって眺めている私に向けて

『じゃあ、村の外れ迄行ってみましょうか?』

微笑みながらユリアが言ったので笑顔で「ええ、お願いします」とユリアに

手を引かれながら歩き始めた。

そよ風と共に木洩れ日落ちる大樹のトンネル内を仰ぎ見ながらゆっくりと進

む。

(何故か気力が漲ってくる様な気がするのだけど?)

「ん?気のせい?」と、一人呟いていた・・・


村内を歩いていると彼方此方から声を掛けられたが隣でユリアが微笑みなが

ら手を振っていたので同じ様に振る舞った、子供に飛び付かれた時は転びそ

うになって流石に困ったがユリアが頭を撫でながら諭したら解って貰えた様

で手を振って別れた。


村外れと言っても結構距離はあった。

緑のトンネルが切れてから100メートル近くは歩いて来たがそこでようや

く村外れの意味が解った。

卵の殻を縦半分に切り縦長の地形の村を上からスッポリと被せた様な結界壁

が村全体を覆っている(結界・・だよな?)

見た目はまんま分厚いシャボン玉である。

『ちょっと、外に出てみる?』

と言われたので頷いて手を引かれるまま結界まで歩いて行ったらそのままス

ルリと通り抜けてしまった(えっ?)

と思う間もなく周りの雰囲気がガラリと変わったのに気が付いた。

『あら、今日は結構居るわね』

ユリアが呟いたのが聞こえたが、気に留める余裕はその時の私には無かった。

一瞬で総てが変わったのだ、風も匂いも気温も、そして何より感じたのが

湧き立つ殺気だった、低く纏わり付く様な視線と殺気を肌に感じ汗が噴き出

てくる。

『戻りましょうか?』

ユリアと脇の森の中を見据えたまま後退り、結界内へと戻る。

少し俯き動揺している事を察したのか、ユリアが安心させる様に話始めた。

『あぁ、あれは獣では無いわね~、多分一寸大きな魔物でしょう魔物も回遊

しているから、偶にはこんな事も有るわよ。』

そんな軽い感じで返されてしまって、びびっていた自分に少し凹んでしまっ

た。









やっと異世界ファンタジーらしくなって来ましたね~

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