表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
111/590

彼女が心を痛める事

10時間、600ルークは私1人ではとても無理なので友人を含めメンバー

10人に運転をさせた、筋が良いのは6人、残りの4人が駄目な訳では無い

、中でも断トツだったのがエルミーだった、雇うから運転手に成ってくれと

言ったら喜んで運転している、人は見掛けに依らないとは良く言ったものだ。

とは言え1人30分以上は運転しているので、今度は何が有っても大丈夫だ

ろう。



結局パスカルに着いたのは13時前、オークションにはギリギリ間に合った。

今回は最初からセリア商会で登録、資料を貰い確認してホッとした、ここも

男が先行らしいこれでお昼ご飯が食べられる。

参加したのは13時を回っていたが案内役はちゃんと事務所で待っていた、

VIP待遇は今回私だけらしい、何処の市場もVIPルームは3部屋有るが

総て埋まる事は滅多に無いそうだ。

着いて早々案内役に聞いた。

「ここは男が多い様だけど何故かしら?」

「それはここの土地柄のせいですね、ここの領地は農業が主な産業ですので

労働力が主体です」

「成る程、力仕事は男と言う訳ね」

「それに共和国では、最近女が人気と聞こえていますので業者同士の交換も

されている様です」

(それは私のせいか?)

「ほう、そう言う事も有るのね(ここは知らん顔だな)」

まだまだ男が続くので、ここで話題を切り替えた。

「所で貴女はこの仕事は長いのですか?」

「15歳から勤めさせて頂き18から3年案内役をさせて頂いています」

「其れではもうプロの案内役ですね」

「いえいえ、私の様なひよっこなどまだまだです、時々読み切れない物もご

ざいますので」

「こちらで出される女はどう言った傾向の物が多いのでしょう?」

「主に犯罪者ですが、不作の年などわざと盗みをさせ、口減らしで追い出さ

れるなどもあります、男は労働力になりますが、女はそうでは無いので。」

「今年はどうなのですか?」

「本年は作柄が平年並みなので”まだ”出ては居りません」

「話は変わりますがここの支配人は雇われておいでなのですか?」

「そうです、ここの経営者はコマス・トロングレイ男爵になります」

「成る程、男爵様ですか」

そんな話をてれてれしていたが、最後の男が終わって女に変わった。

最初に出て来たのは、犯罪者、終身、処分、20歳、この子も顔に包帯

を巻いていて痛々しい、それを見て経歴を聞いた。

「あれは親殺しです」

「それは重犯罪ですね、でもその理由はなんですか?」

「妹を罪人に落とそうとした父親を刺し殺しました」

そう言われ案内役を睨んだが、目を伏せ、軽く会釈をするだけだった。

スタートは13枚だが、既に16枚になっていた、そこで透かさず札を上げ

た。

落札価格は17枚その後は誰も上げなかった。

次は、犯罪者、終身、18歳、窃盗、聞かなくても振り向いたら教えてく

れた。

「あれは摺です」

「孤児ですか?」

「そうですね」

スタートは15枚、直ぐに札を上げる、娼館主らしき女が2度競ったが諦め

て18枚で落札だ。

次は、犯罪者、終身、15歳、窃盗、これは私から聞いた。

「あれは、食べ物ですか?」

「そうですね」

私が透かさず上げた事で案内役も私の傾向が判ったらしい。

落札は22枚。

「今の上がった理由は顔ですか?」

「そう思います、少し可愛い子でしたから」

オークションが終わり、帰り際に案内役が深々と頭を下げ”これからも宜しく

御願いします”と言った言葉に、別な意味を感じたのは私の気のせいでは無い

と思える響きが、彼女の声には有った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ