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静謐な朝なのに





昨日はあの後戻って直ぐに夕飯の声が掛かり、食卓に着くと、三人だけでレ

オンさんは居なかった食事もそこそこにして、躰も本調子ではない様なので

(自分のものではないので今一良く解らない)早々に休ませて貰った。

なのでレオンさんがその後帰宅したかも判らなかったが翌朝の朝食時にも居

なかったので帰っては来なかったのだろう。

因みに朝食はナンの様なパンと木苺らしきジャムに彩り豊かな生野菜のサラ

ダだった。

この間と違うミントの様なハーブティーをアリアさんに煎れて貰い口を付け

た所で表のドアの辺りに気配を感じ、其方を向くタイミングでドアがノック

された。

『は~い』と返事をしながらティーポットをテーブルに置きアリアさんが来

客に対応しようとドアへ向かった。

ドアが開く直前に「クラーシュです」と声が掛かり身元を明かした。

ドアが開かれると同時に「あら、クラーシュ久し振りね」と優しい笑顔で言

葉を返した。

「どうぞ、お入りになって」

テーブルに促され席に着く前に軽く会釈をされたので返しておいた彼は出さ

れた お茶の御礼を言うと私に向かって話し掛けてきた。

『セリア殿、御元気になられた様で何よりです、倒れたと聞いて心配してい

たの

ですが向こうの準備が忙しく、お伺い出来ずに申し訳ありませんでした』

(何の事かは知らないが、気遣って貰ったのなら返さない訳にはいかないな)

と思いありきたりな返事を返しておいた。

「お気遣い有り難うございます、先日やっと床を空ける事が出来まして本調

子とは言えず、何かと御迷惑をお掛けするやもしれませんが何卒、御容赦の

程、宜しくお願い致します。」

『いやいや、いつも迷惑を掛けているのは此方なのでお気になさらずに』

そのタイミングで私の左隣に自分用のティーカップを持ちながらアリアさん

が席に着き、話を切り出した。

「それで、本日はどう言った御用件なのかしら?」

クラーシュ氏は絶妙だったと言わんばかりにアリアへと顔を向け話し始めた。

『向こうでの準備も順調で此方の方々の向こうでの支度も有りますので大礼

祭の4日前には王都に向けて出立して欲しいとレオン殿からの伝言です。』

「承りました、4日前の朝、此方を立つとお伝えください。」

『賜りました』と言うとお茶を一気に飲み干し

『では、王都にて』と軽く会釈をし帰って行った。

話が見えていないので、まるで絵画でも観ている様な感じでハーブティーを

飲むアリアさんを観ながら話し掛けた。

「王都で何か有るんですか?」

『あぁ?!貴女は臥せって居たから、日付の感覚がおかしくなっているのか

しら?

20日に王都で大礼祭が始まるのよ、貴女が居ないと始まらないからレオ

ンが心配していたのですが{出立して欲しい}と言ってると言う事は一応気

は使ってるみたいですね、ゆっくり行けば旅程でも王都でも体力はそんなに

要らないので大丈夫でしょう?」

元日本人には断り辛い言い方をされてしまい思わず了承してしまった。





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