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実力

突入組は全員車外へと出ているが、折角掛けた魔法も解除し何やらヒソヒソ

と話をしている、気にはなるが好きな様にやれと言ってあるので私は私の仕

事をする事にして後方へと走って移動し、敵が視認出来ない距離で森へと入

り迂回して開戦前に予定の位置で待機だ。

その時車外では先陣を誰が切るかで揉めていた。

「おっ?セリア様が行ったみたいだな、で?結局誰が行くんだ?」

どうでも良いアンジェが呆れがちに聞いた。

揉めているのは当然あの3人だ。

トレーラーの窓から面白そうに顔を出したアリエスが声を掛けた。

「お前らジャンケンしたら?」

「何ですかそれは?」

ティアが怪訝そうな顔でアリエスに聞き返す。

「ああ!お前らジャンケン知らないのか?こうするんだよ」

アリエスはそう言うと自分の両手を使いグーチョキパーを教えた。

「これは簡単に勝負が着きますね!」

ティアが乗り気だ。

「1回じゃつまらないから3回先に勝った奴が1番ならいいんじゃないか?」

「「「おお!!」」」

それを聞いた3人が乗った。


結果はサラの惨敗ニナの圧勝ティアが2勝に終わった。

サラが地面に崩れ落ち何やらブツブツ言っているが気にしない2人である。

それに気を良くしたニナがバリケードに向け鼻唄混じりに歩き出しながら

抜刀し腕を含めたレイピアに重量軽減魔法を掛けレイピアにキスをし一閃

した。

瞬間、人が通れる程の幅でバリケードが細切れとなって崩れ落ち、響めく

敵が後退る。

それを追うが如く歩みを進めるニナに向かい3人が襲い掛かった。

自然体で歩くニナが一閃、瞬間左上に振り抜いたかに見えたレイピアは右へ

と斜に立つニナが後方へと流し持つ。

敵は剣を断ち切られた事に気付くもニナの横を走り抜けると同時に6つの物

体となって崩れ落ちた、振動魔法での両断だ。

その機を逃さず動揺して動きの止まった敵に向け、ニナを遮蔽に二手に分か

れたティア達が敵陣へと襲い掛かった。

数瞬の内に放射状に走り抜けた5人が敵を囲い込んだ時、敵は既に半数以下

に減っていた。

敵を囲い込んで最初に仕掛けたのはティア、数瞬の斬撃の後アンジェへと目

配せをし、それを受けてアンジェが交代で攻勢へと出る、そして次はフラン

カと廻して行く。

倒す数はそれぞれ8人、タイムアタックだ。

最後のニナが終わった時サラが崩れ落ちた、4位である。

(あ~~私ここへ何しに来たんだっけ?観戦?)

セリアはそんな事を考えながら時計を見ると開戦から5分も経っていなかっ

た事に無の境地となるのだった。


その光景を口を開けたまま齧り付きで観ていたクロエにアリエスが声を掛け

た。

「クロエ、口を閉じたらどうだ?」

そんな事はどうでも良いとばかりにアリエスを見ると外を指差し口を開いた。

「あ、あ、あれは一体何ですか?!」

「何だと言われてもな」

「だって、さっき始まったばかりですよ!5分も経って無いじゃないですか

!」

「あ~~あれがセリア商会だ」

「あれではもう人の所業じゃ無いじゃないですか!」

「お?良い目をしてるな?一部合ってるぞ?人も居るがな、但しセリアには

言うなよ?怒ったセリアはあれよりずっと怖いぞ?」

「あんなのに勝てる人なんて居るんですか?」

「多分居ないと思うぞ?」

「あんなのと戦争になったら・・・」

「多分、里が滅ぶな一日で」

「ですよね~」




一旦リベリオへと戻り昼食後にパスカル方面へと向かったがクロエ達は付い

ては行かずまだ酒場に残っていた、エルミーは部屋でお昼寝だ。

「クロエはここが片付いたらどうするんだ?」

アリエスが話を振ると暫く考えてからクロエが応えた。

「一応報告義務が有るから戻らないとね、でもあそこは給金はまあまあだけ

ど拘束時間が長いから時間給にすれば安いのよね、出張ばかりで大変だし民

間の方が良いかもね」

「なんだ?転職するのか?」

「それも有りかとは思ってるわね、良い男も居ないし」

「アッハッハそっちが本音か、お前らしいな」

「そう言う貴女はどうするのよ?もう引き上げ命令が出てるって言ってたじ

ゃない?」

「其れなんだがな、お前にこれを持って行って貰おうと思ってな」

アリエスはそう言ってスマホとスクロールをクロエに手渡した。

「これは何?」

「本部との通信装置と辞表だ」

「あんた、辞める気なの!?」

「あたしが連絡しても本部は多分認めてくれないだろうからお前に頼むんだ、

引き受けてくれ」

「それはいいけど・・・じゃあ貴女に一つ”貸し”にしとくわね、何か有った

ら助力してね?」

「ああ、判った、判った、それでいいから頼む、それとエルミーも協力者か

ら引退だと伝えてくれ」

「辞める理由を聞いても良いかしら?」

「それは言わなくてもお前にも判っているだろう?」



















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