作戦会議
酒場で全員を集めて夕食だ。
総勢14人では集められる所がここしか無い、全員席に着いた所で声を上げ
た。
「本日ギルド長より討伐依頼が来た、対象は二手に分かれたライカ各100
総計200だ、二手に分かれて討伐するか全員で片方ずつ討伐するか決めて
欲しいそれとエレナは参加するの?」
エレナはライカ人だ。
「当然さ、戦闘は慣れっこだからね!」
「知り合いが居たらどうする?」
「・・・その時考えるよ」
「判ったわ、アリエスとエルミーはどうする?」
2人は顔を見合わせアリエスが答えた。
「今回だけはやめておくよ、多分本国絡みだ」
「判った、後メンバーから外すのはカリエス、アニエル、エステル、ユリね」
それを聞いてユリが立ち上がる。
「私も参加します!」
「貴女は駄目よ」
「何故ですか!?」
「剣は与えてやれたとしても剣技も攻撃魔法も拳闘技も全てが未習熟、ステ
ータスも参加メンバーの中で1番低い、参加すればメンバーの足を引っ張り
かねない、そう成らないと貴女は言い切れるの?」
「・・・・・・申し訳ありません、今後精進致します」
「そうね、良い先輩が沢山居るから教えて貰えば良い、今後に期待している
わ」
セリアはサラを見詰めて問い質した。
「サラ、ミラは今どうなの?」
「判断に迷う所です」
「クラスと剣技、防御、魔法は?」
「クラスはB+剣技はA-防御はB魔法はB+です」
「今回ミラは不参加、良いわねミラ」
「・・・ハイ」
「命を落としたら拾えないのよ、私は貴女が大切よ」
「有り難う御座います」
「ティア、意見はある?」
「そうですね、参加が6人とは言ってもチームを組むのが初めてのメンバー
ですから今回はお互いの実力を測る為に6人チームで片方ずつ潰した方が宜
しいかと」
「他に意見が有る者は居る?居ないならこれで決定ね。
街道脇は完全な森、本国への伝令を絶つ為、撃ち漏らしが有ると仮定し私は
ライカ方面への逃走経路の遮断の位置に待機する、6人は正面突入、剣技の
訓練を兼ねているのを念頭に置いてね、明日は朝9時に出立するわ」
昨日の夜、アリエスに諭されてクロエが暴露した。
元々次官なのだから諜報員には向かない、半端に兵を逃がして増援を送られ
ても手間が増えるしゲリラ戦に移行されれば最悪なので完全に潰した事を報
告して貰う為に同行させる事になった、結局付き添いでアリエスとエルミー
も付いて来てしまった、ミラとユリもせめて見学させてくれと懇願されれば
嫌とは言えない私である、総勢12人助手席にティア、ミドルセンターにサ
ラ、右側にニナ、左側にアンジェ、残りはトレーラーだ。
但しクロエだけはトレーラーの床で催眠魔法で寝ている、起きているとゲロ
るからだ。
最初は500リック程離れて散開し、車を収納する予定だったが見学者が居
るのではそうは行かない。
既に現場は目の前、バリケードに横着けし即座に車体を結界魔法で覆う。
これは里と同じもの、囲われた者は双方向に通り抜けられる結界だ。
行く先にはバリケード、人の顔が認識出来る距離まで近付き車を停める。
其れ其れがゆっくりと立ち上がり降車していく、ニナとアンジェが抜刀と同
時に魔法を発動した。
微かな作動音と共に手に持つソード揺れる、振動魔法だ。
セリアは2人がそれを使えるとは思ってもいなかったのだ。
あれはSクラスでも最高位の魔法だ、徐々に上達している2人にセリアの顔
が綻ぶ。
「さあ、皆の上達と創意工夫を見せて貰いましょうか!」