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クリスタル・ゲージ

作者: 緋高良介
掲載日:2009/05/08

La La tu lu Rah Ta


緑の木漏れ日


目を閉じたら


スベテの繋がりを感じられる?


まるで遺伝子のような cosmic world


tu ta la ta...weva




「なんの歌だったかなぁ…」

「なにが?」

窓を開けているせいか、日差しがさらに眩しく感じて。

少し前まで満開だった桜は、木から少しずつ散り、地面をピンク色に染めていた。


青い空に浮かぶ雲はどこか、悲しくみえて。


椅子に反るようにもたれかかって、顔を声がする方を見上げたら、覗き込んだ、馴染みの顔。

「ユズヒト」

「由伊が歌を口ずさむなんてめずらしいな。好きな歌のフレーズ?」

差し入れだけど今休憩がてらに食べるか、と小さな箱を手渡される。箱を開くと、箱の中に丁寧に6つ並べられた杏仁豆腐が入っている。

白い器に入っている淡いピンク色の杏仁豆腐の上に、ぽつりときれいなピンク色が彩っていた。

「キレイだろ?春限定の商品で、桜の花びらがのってるんだってさ」

味も桜の味がするんだって、とひょいと一つ取ってくユズヒトをみて、すっ、と一つ手に取った。

ふわり、と桜の香りがした気がした。桜の香りなんかあまり知らないけど。

「そーいや今年の桜はじっくりみてなかったなぁ」

「あー、なんか外での花見って木から毛虫落ちてきそうだな」

「あー、なんかそれ分かるわ。会社からは窓から結構見えるし、桜が全部散る前にいっぺん会社の部屋で花見でもするかー」

「わーそれいいなー」

今日でもさっさと原稿まとめて編集部誘うかーと書きかけの原稿を覗きこむユズヒト。髪の間からちらりと覗く黒い十字架のピアスが陽にあたって輝いてみえた。

どんな作品でもそれが由伊の感性や表現だって特に口出しはせずに褒めてくれるから、最高の担当かもしれない。

「ねぇ、ユズヒト」

「んー、なんだー?」

「小説家になりたいって言ったらどうする?」

「由伊がか?」

「うん」

そーだなーと真剣に考えるユズヒトに、思わず顔が緩みそうになる。

単純に否定してしまえばいいのに、なんて。

まぁそんなこと考えないのがユズヒトの好きな所だけど。

「携帯小説からでも始められるし、もしかしたら由伊は小説家向きかもしれないしな。いっそのこと別のペンネーム作ってサイト作って始めるか?」

「ごめん、冗談。てかめんどくさいね、それ。」

「冗談なんてめずらしい…というより、結構リアリティあってビックリした」

「あはは」

愛情診断だよって言ったら、俺の愛情が足りてないって言いたいのかーと拗ねるユズヒトに、ははっと笑う。

「ユズヒトはさ、俺が作家をやめたらユズヒトはどうする?」

「まず由伊を止める」

「それでもやめるって言ったら?」

「そりゃあ別の作家んとこに担当になるんだろうね」

「ふーん…」

「やめたいの?」

「ユズヒトは時々だらしないけど、俺の兄貴みたいな存在で、なんでも話せて」

「だらしないは余計だろ」

「でも担当外れたら、もう赤の他人」

「いつでも連絡はしてこいよー」

「ユズヒトは作家と担当っていう関係がなくなったら、いつくらいから俺のことを忘れてしまう?」

「ま、しばらくは忘れないな。まだ作家やめる気はないだろ?」

「まぁ、ね」







You-la ユラ 心が揺れてる

孤独にモガイテル

あなたは私の心を買って um-

消えていった it's cry









「…たとえ由伊が作家止めてもさ、なんか俺らはずっと一緒にいそうな気がする。」

「それが一番いいかもしんないね。」




それはまるで、遺伝子のような



(あ、思い出した)

(ガーネットクロウだ)

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― 新着の感想 ―
[良い点] なんか、すごくよかった気がする。 [一言]  ごめんなさい。うまく言えないんでこれで勘弁してください。  言葉の選び方とか、文の量とか、うまく言えないんですがすごく好みでした。  こんな滅…
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