【閑話】朝のコーヒータイムと少しの変化
何時からだろう。
これを望んで、こうなったのは?
初めての事なんて覚えちゃいない。
目標か? と聞かれれば、Noとは言える。
何年も前の、幼少期に色々と世話をしてくれて、教えてくれた。
あの人にあったのは何年前だったか。
助けてくれとも。協力してくれとも言わない。
ただ、昔と変わらずの笑顔で『元気してるか?』と言われただけだ。
そう、昔っからの隠し事の下手な笑顔で―――
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久しく会っていない人を思い出すのは、その人のやった事を意識せずに自分でやってしまったときだろうな。
手に持った煙草の存在を忘れて、朝のテレビをぼーと見ていてコーヒーに灰を落とす。
落ちた時には「あっ」と小さく声に出したが、コーヒーに沈んでいく灰を見ながら、小さく笑った。
着替えを済ませ、後は家を出るだけだ。
この時間に出れば、5分遅れて職場に着く。いつも通りだ。
5分前に着くのが習慣づいてしまっていた為、逆にするのに苦労した。
『またか~』と最近じゃ怒りから呆れに変わった周りの表情で、今日もいつも通りだと実感する。
何て事ない仕事をわざとへまし。自分と言う人間に変化をつける。それが今の自分だ。
鏡で見れば、表情なんて少しだけの変化なんだろう。
感じる事も、気にすることも、許されない少しだけの変化。
きっとみんなそうなんだろう。
学校や、仕事や、交流―――――。
人は大小の違いはあれど仮面を被ってるのではないだろうか?
仮面を外せれば、楽になれるのだろうか?
仮面を被ってるの方が、楽になれるのだろうか?
それは経験者しかわからないことだろう。
俺にはその勇気も、責任も取れない。
だから、仮面を被り続け、演じる事を辞めない。
そんな事を思いながら、休憩室の喫煙スペースで煙草の煙を吐き出す。
小さなミスが大きなミスへと変わる瞬間ってのは、終わった後にしかわからない。
今回もそうだった。
どデカイ声で『事後だ!』と言われてから気づいた。
⋯⋯⋯またか。
焦っても何も始まりはしないし、此処で個々で動かなくったって、世界は動き続ける。
気持ちは前に進むが、平然を装う。
勿論、そうする理由だってある。
今、無闇に動けば仮面が剥がれる。此処だけの話しじゃない。
きっと呼ばれる。それが俺の存在意義だから。
きっと奴らには奴らの理念があり、俺達には俺達の理念があるのだろう。
どっちが正義で、勝った方が正義で。なんて、考えることも、思う事も得意ではない。
だから、俺は与えられた仕事を信じてやるべきなのだろう。
流れに身を任せ、人任せでは無いとは言えないかもしれないが、信じるに値する人を信じて動く。
結局はどちらも同じなのかもしれないな。
哀愁漂うこの喫煙所で、また煙草に火をつける。
これがきっと正解なのだろう⋯⋯
見せる姿に意識し、仮面を被る。決して外す事の許されない仮面を⋯⋯
先ほどの彼には言葉は届いているのだろか?
彼も周りと同じように、いい加減な奴の戯れ言だと、気にも止めないのだろうか?
何を心に留め、何を聞き流すかは、人それぞれだろう。
しかし、正解はいつも後からやってくる。
先にわかれば、後悔すらしないはずなのに⋯⋯
能力すら解決が出来ない⋯⋯
空に向かって煙草の煙を吐き出しながら、ふと思う。
少しだけの変化で、価値を変えるものなんだろう。
朝のコーヒータイムも好きだが、外で吸う煙草に合わせて飲む缶コーヒーもまた良いものだ。
読んで頂きありがとうございます。今後の参考とさせて頂きたいので、感想、評価お待ちしております。




