世界の作り
「で、なに? 遊佐が起きるまでなら聞くけど」
とどれだけの時間があるかわからないけど、遊佐起きないでね。
今までの流れを説明した。
「で、どーするの?」
姉は姉だ。もう少し弟の心配とかはないのか。
「わかんないけど、とりあえず戻る事を考えなきゃならないよね」
「そう? もう一回やれば?」
同じ仕事を再度10年以上もやる意味がわからん。
「絶対やだよ。そーいう系のスキルとかないの?」
「えー、お姉ちゃんならやり直したいけど」
「それ、もう一度陣痛の痛み経験するってことだけどいいの?」
姉はすごく嫌そうな顔をして、初めて協力姿勢を見せてくれた。
姉の話しだと、俺がいた世界とはほぼ同じ環境だった。違うのはスマホが存在することと、スキルやレベルといったRPG要素があることだった。
生まれてから少しずつレベルが上がりスキルポイントがたまり、自分で振り分けをするそうだ。
そして職業を自分で選び、その職業を元に仕事をする。レベルをMAXにするか、リセットすれば転職も可能。ステータスウィンドウを意識すれば自分にだけ見えるようになり、色々選択ができる。
姉は子育てのためにリセットして、《母親》を選び、スキルも子育てに使えるものを選んだそうだ。
俺は今さら普通の職業を選んでも意味がない。
しかも、20年分のポイントが貯まっており、上級職の武道戦士なるものを選び戦闘特化型にした。
テレビでも話題になっているのが、スキルを使ったテロリスト集団だ。姉も言っていたが急に出てきたらしい。
「そいつらやっつけたら戻るんじゃないの?」
と、他人事のように言ってきたが、何となくだけど俺もそんな気がしていた。
どこにいるかもわからない相手だ。そりゃそう簡単には見つからないだろう。ただ、ユニークスキルらしい、《天性の勘》というスキルを覚えられた為か、明日になったら電車に乗らなきゃダメな気がしてならなかった。




