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お父さん……?
「殺してやる……殺してやる!」
つぐみに死の危機が迫っていた。
「なっ……なんでっ!?どうしてよ……お父さん!」
18歳のつぐみは父親に殺されそうになっていた。ちなみに、つぐみの母親はとうの昔に死んでいる。
つぐみがいつものように、寝ようとベッドに入ったとき、急に包丁をもった父親が部屋にのりこんできたのだ。つぐみはとりあえず、財布が入ったバッグをひっつかみ、逃げ出した。
家を出て走りに走ったが、父親の方が足は速い。距離はどんどん縮まる。
「誰か……誰かっ……!」
つぐみは助けを求めるが、もともと家の数が少ない上に深夜ということもあり、誰も気づいてくれない。つぐみが絶望を感じた……その時だった。
「……若い女に何むけてんだ。」
知らない男の声が聞こえた。