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2話
揺らされている麺につられて、管狐が出てくるとむつは、掌に麺を乗せて食べさせている。
「コーンも食べる?」
箸で摘まんで目の前に差し出すと、管狐は小さな口で食べた。むつは、それを楽しそうに見ていた。
「むっちゃん、もぅ…」
「はぁい、じゃあ後1本だけね」
掌に麺をもう1本乗せると、管狐はせっせと食べている。食べ終わると、むつの腕をするすると登って肩の上に器用に座った。
「喧嘩もあったけど、最近こんな風に揃って居られた事も少ないよね。どっちかが出てたりしてたし、だから余計に顔見る事なかったんじゃない?」
「あぁ、そっか。何だかんだぽろぽろ仕事あったよねぇ…ん、って事は経理の方溜まってる?」
「かも。むっちゃんが主にやってくれてるから分からないけど…」
「確認しよ…ラーメン食べてから」
そう言うと、むつはせっせと麺を口に運んでいった。