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2話
「なら、話してくださいますね?」
念押しするようにむつが、ねっ?と言ったがその声は低く、脅しのようでもあった。
前の席に居る、冬四郎と西原は知らん顔をしているようで、2人の口元はわずかに緩んでいた。
「話ます、話しますから…沼井さんの身辺はわたしが警視正から言われて、ある程度は調べましたよ。何で、怪異専門の方に頼みがあるなんて、言い出したのか気になりましたからね」
気になっていたのか、西原が少し身体の位置を変えて後ろを向いていた。
「やっぱり、そうなんですね。それは、さっきむつとも話してたんですよ」
西原が、ふーんと頷いた。すると篠田が西原とむつに照れたような笑みを浮かべた。
「やっぱり、ばれてましたか…で、ですね。入院してるんですが、どうもおかしいんですよね」
「元々、おかしいんじゃないですか?あんな事に荷担してたんですから」
むつは、ふんっと鼻で笑った。
「まぁ、そうなんですが。そうじゃなくてですね、ドクターにも話を聞いたんですが、異常はないんですよ。身体に」
「精神的な物で入院ですか?」
「いえ、そうでもないようで…もうこればっかりは見て下さいとしか言いようがないんですが」




