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2話
軽く呑み直す、という事で今度は西原が知っている居酒屋に移動した。バーのような、しっとり落ち着いた雰囲気のある所でドリンクメニューもかなり多い。
「こんな所、知ってたんだ」
「まぁな、夜景も見れるしな」
2人は窓を前にしてソファー席に並んで座った。カップルシートのようで、かなり距離が近かったが、今更それを恥じるような事はなかった。
「夜景って…誰と来るの?」
「悲しいがな、男とばっかり。1回だけ、ゼミの追いコンで来たけどな、女の子と2人では初めてだな」
「あら、女の子扱いしてくれるの?やったね」
歯を見せて、ひっひっひと変な笑い方をするむつは、あまり女の子という感じはしない。長い髪と薄いオレンジの証明に照らされて、魔女のようだった。
「生物学上の話な」
そう言われ、むつはちっと舌打ちをした。
飲み物が運ばれてくると、乾杯をして再び呑み始めた。だが、1件目の居酒屋の時のようにペース早めではなく、酒を楽しむようにゆっくりと呑んだ。




