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2話
むつと西原はビールで乾杯をしてた。喉が渇いていたのか、むつは一息に半分程呑んだ。西原にいたっては、すでに呑み干してしまいそうだった。
「先輩って明日、仕事?」
「あぁ、お前は?」
「仕事よ。って事は終電には乗らないといけないって事よねぇ…」
むつが残念そうに言うと、西原はにんまりとした。
「何よ?」
「いーやーぁそんなに俺と居たいのかなって思ってさ」
運ばれてきただし巻き卵を皿に取り、熱いうちにむつは口に入れた。もごもごと噛み飲み込むと、ビールを呑み干した。
「じゃあ…泊まりに行って良い?」
「…ごっ‼うっ…」
ビールを呑んでいた西原はむせて、苦しそうにおしぼりで口元を押さえて咳こんでいる。
「何をびっくりしてんの?」
「えーっいきなりそんな事言う?もうちょい酔ってからとかじゃない?」
「呑んだ勢いではダメなんじゃなかったの?」
唇の端を持ち上げて、むつがふふんっと笑った。西原はおしぼりで口元を拭うと、わだとらしい溜め息をついた。
「あっ、すみませーん‼生大2つ」
「え、大?」
「うん。中じゃすーぐなくなるし。早く呑み干しなよ、おかわり来ちゃうよ?」




