64/410
2話
むつが立ち上がると、西原も一緒に立ち上がった。そして、晃に深々と頭を下げた。
「わたしも、彼女と一緒に先に失礼させて頂きます」
「玉奥さんを送って帰ってくれるのかな?」
「はい」
「では、そうしてあげてください」
むつと西原は、晃に深々と頭を下げると、部屋から出て行った。ここに来た時には、高級感漂う雰囲気に2人とも少し浮かれていたが、話を聞き終えた今は沈み気味だった。
エレベータにのりこみ、2人は長い溜め息を同時についた。そして、顔を見合わせ少しだけ笑った。学生の頃に付き合っていただけあって、その辺の息はぴったりだった。
「なぁ、むつさんよ」
「はいよ?」
「休憩でもしてくか?」
「うーん、ホテルの中で休憩って聞くと、何か違う休憩っぽく聞こえたけど気のせい?」
「気のせいじゃなかったらどうする?」
「今日はやめとく」
「今日じゃなかったら良いのか?」
ぱちんっと西原の額をむつが叩いた。そして、くすくすと笑った。
「飯なら付き合ってくれるか?」
「勿論。どこに行くー?」




