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2話
部屋に入った京井は、4人が床に膝をついている様子を見て少し驚いた。篠田も何か落ちつかなげな様子だった。
「何があったんですか?」
「むつさんが警視正に紅茶をかけたんです…その片付けを」
「はぁ…あの皆さま方。片付けはこちらでなさいますので、どうぞお待ち下さい」
そう言われて4人は、立ちあがった。
「お着替えです。わたしのスーツしかなかったのですが…大丈夫ですか?」
「えぇ。すみません…何から何までご迷惑おかけします」
京井からスーツを受け取った晃は、嫌味のような笑みをむつに向けた。だが、むつはつんと無視している。
「兄弟喧嘩もほどほどに」
むつの隣を通りすぎる時に、京井がこっそりと言った。むつは八つ当たりのように、京井の背中をばしんっと叩いた。だが、京井は全然平気な顔をして笑っていた。
「むつっ‼」
冬四郎がそれを見咎めて、怒った。すると、首をすくめてそそくさと晃と一緒に奥の部屋に入っていった。
むつと晃が一緒に部屋に入って行くのを、篠田と西原が見て首を傾げていた。




