2話
夕飯の片付けと風呂を済ませると、3人はリビングに仲良く集まっていた。ソファーに冬四郎と晃が座り、むつは晃の足の間に座っていた。
むつは作っておいた、フローズンスモアを頬張りながら、今日の事を2人に報告していた。メールでは、西原が昨日の事を聞きに来た事しか言っていなかった。
細かく説明を求められ、むつは、むつが出社するより先に西原が居た事から、裸足で階段をダッシュした事、颯介を疑った事まで話した。
「ふーん?西原君がねぇ…余程、腑に落ちなかったんだな」
「そりゃ、普通に考えたら。初めましての警視正とフレンチなんて、何か裏がありそうに思うよ」
そうなのか?と晃は首を傾げていた。冬四郎は、うんうんと頷いていた。
「まぁいいか。で、むつはどう思ったんだ?」
フォークを皿に戻したむつは、考え込むように首を傾げていた。
「どって…さて、お兄様が隠し事したせいで不審者が彷徨いてるならお兄様を追い出すしかないよね」
「ん、むつちょっと待て」
「あーっ‼最後の1個」
むつと晃が話している間に、冬四郎は最後に残っていた1つを口に入れていた。それに気付いたむつが悲痛に叫んだが、冬四郎は素知らぬ顔をしていた。