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2話
「うん…2人とも平気なのか?」
カレーを口に運んでいたむつは、晃の手が止まってるのを見て首を傾げた。冬四郎も、どうしたのかと手を止めた。
「味覚おかしいんじゃないか?辛すぎるだろ、むつ何入れたんだ?」
「レッドペッパーのパウダータイプのをちょっとだけ入れたけど?いちにぃ辛いのダメなんだ?」
むつと冬四郎は涼しげな顔をしている。だが、晃の額には大粒の汗が浮かんでいた。
「ちょっとレベルじゃない。カレーなのに赤っぽくないか?冬四郎も平気か」
「辛い物好きだから」
晃がしかめっ面を見せると、むつは立ち上がり麦茶を入れてるコップに氷を入れてやり、タンドタオルを渡した。晃は麦茶を飲みながら、何とか完食した。その必死さを見てむつと冬四郎は笑っていた。
「あっつう‼」
汗が止まらないのか、襟を引っ張って風を送るも大した効果は無さそうだ。
「無理しなくて良いのに」
「折角、むつと冬四郎が作ってくれたんだ。残すわけにはいかないだろ?」
それを聞き、むつは少しだけ目を潤ませて照れたように笑っていた。