表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-人形の街-  作者: 幹藤 あさ
403/410

8話

ばたばたと動いていた手足は、だらんっと力なく垂れ下がった。むつは、人形と頭を胸に抱くようにして持つと、沼井の方を見た。


「契約は白紙になりました…もう不十分な事はないと思いますが以下がですか?」


むつがそう言うと、沼井はぎこちなく足を動かしている。どうやら、きちんと動くようだった。


「依頼は2つでしたね、1つはこれで終了ですね。不倫の件は、奥さまからお聞きになれば宜しいかと思います…そういった事実は御座いませんでしたし」


「だったら、何で俺が入院してる時に昔の男なんかと密かに会ってたんだ」


ぎょろっと睨まれたむつだったが、知らん顔している。ふっと少し笑ったかと思うと、沼井を見下ろすような目をした。


「ご自分の胸に手を当てて、よくお考えになっては以下がですか?不祥事のあげく、後ろ指さされる旦那の事をよく知った人に相談したくなる…普通の事ではないでしょうか?…では、これで失礼しますよ」


むつは、箱に人形を押し込むと沼井に頭を下げる事もせずに病室から出ていった。晃とすれ違う時に、くすっと笑うと晃が困ったような顔をした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ