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8話
「人形は、ね。本人は今、社長のお見舞いに来てるわよ…会ってくる?」
「はぁー?全然、意味が分かんない」
「説明して欲しい?」
「是非ともな。少しだけ首突っ込んでるからな」
むつは座り直すと、腰を回してばきばきと鳴らした。話す気のなさそうなむつを、西原はじっと見ていた。
「皆が居る所でまとめて、話したかったけど…仕方ない。先輩はあと少し付き合って貰おうかな…携帯かして」
西原が携帯を渡すと、むつはそれを持って出ていった。そして、誰かに電話を済ませるとすぐに戻ってきた。
「しばし待機」
むつが何をしようとしているのか、さっぱり分からない西原は携帯をポケットにしまいながらも、言われたように待つ事にした。




