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7話
後からやってきた颯介、冬四郎、西原も祐斗と同じように手を合わせた。そして、山上を気遣うように見ている。
山上は呆然とした様子だったか、立ち上がると、むつの方に歩みよりその肩を掴んで振り向かせると何も言わずに殴り付けた。
倒れたむつの胸ぐらを掴むと、山上との尚も殴りかかろうと、腕を振り上げたが結局殴りはしなかった。力なく下ろされた腕は、むつの肩に乗せられていた。
「お前が…お前があの人を殺したんだ」
歯を食い縛り、隙間から漏れるような声で山上が言うと、むつは山上の手を握って頷いた。
「けど、それは…結局、また俺のせいだ」
むつは、そっと山上の背中に手を回して躊躇いがちに撫でた。




