表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-人形の街-  作者: 幹藤 あさ
384/410

7話

山上の泣き出しそうな情けない顔を見て、むつはすぐにかずえの方に視線を戻した。


「勝手なのは、あたしらの方だね」


むつはポケットから札を取り出すと、かずえの手を取り、それを握らせた。


「人形のままなら、ずっと一緒に居れたのかなって思う。けど、外に出たかった。一緒に町を歩いてみたかった…人の営む生活がしてみたかった」


「沼井との生活は?」


「最悪。だから、沼井との契約を途中で止めて、あっちに乗り換えた。…顔はまぉまぁだけど…この女がずっと大切に想っていた相手だって知ったから」


「ちょっと羨ましいね。そういう想いに出逢えたって言うのは…あたしにも、いつかそんな時が来るのかな」


かずえの目から、涙が溢れるのをむつは見ていた。透明で、温かみのある物だと思った。


「腕は…本当に悪かった。ごめん」


「わたしこそ、頬痛む?」


「腫れるだろうけど、そのうち治る」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ