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7話
むつは山上に羽交い締めにされたまま、後退した。山上もむつと共に1歩下がった。むつのそんな様子を見て、かずえは面白がるように、剣先をさらに押し付けた。
「っ…」
苦しそうに呻きながら、むつはじりじりと下がっていく。当然、山上も一緒にだった。
喉にぐりぐりと剣先を押し付けられながら、むつはちらっと足元を見た。そして、にやっと笑うとさらにじりじりと後退した。
「痛いなぁ…人にそんな物向けるもんじゃあ、ねぇよ‼」
むつはどんっと山上を押すようにして大きく後ろに下がった。颯介と祐斗が、手を伸ばしたが間に合わない。山上を下にして、むつは舞台から落ちていった。




