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7話
人形の相手をして時間を取られるよりも、むつを1人ででも先に行かせた方が良いと颯介は判断したのだろう。
「怖いな…」
「大丈夫、大丈夫」
「分かったよ」
「むつさん、頑張ってー」
「他人事だと思いやがって…2人も早めに来てよね」
颯介が楽観的に言うとむつは、諦めたように溜め息をついた。祐斗に預けていた日本刀を持つと、颯介とむつは人形の方に近付いて行った。
冬四郎と西原と源太は、2人が何をする気なのかと後を追おうとしたが、祐斗が引き止めた。
「祐斗君?」
「むつさんを投げるそうです」
「は?」
4人は少し離れた位置から、むつと颯介を見守っていた。




