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7話
西原に言われたむつは、颯介たちの方を見た。3人もかなり苦戦しているようだった。冬四郎と同様に颯介も祐斗もむつの用に、攻撃性のある力があるわけではない。
「その方が良いかな?」
「源太、山上さんの居場所とか分かんねぇのか?」
「わ、分からないって‼あ、いや何となく予想はつくかな?ってくらい」
むつと西原は何とか源太の周りから人形を引き離したが、囲まれている事に変わりはない。
むつは迷うように、視線をさ迷わせた。すると、最初に出てきたあの受付の女性の人形と目が合った。
「悩むな」
じっと女性と目を合わせていた事に、西原は気付いたのか、むつの肩を掴んだ。
「向こうも危ない」
「分かった…これ持ってて。源太、遅れないでね?」
むつは西原に日本刀を預けて、ポケットから何枚もの人の形に切り取った紙を取り出した。




