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7話
西原が頭を剥ぎ取って、むつが首の辺りから剣先を突き立て、下に下ろすようにして切っていた。だが、人形は減らない。数に物を言わせてむつと西原に向かってくる。西原もむつも少しずつ息が乱れつつあった。
「っ…ちっ」
西原が目の前の人形に気を取られている間に、後ろに回った人形が西原の腕に絡み付いた。人形の重みで西原が、バランスを崩すとそれを狙ったようにわらわらと人形が西原を押さえつけにかかった。
「先輩っ‼」
目の前の人形を切り落とし、西原の方に向かおうとしたが、後ろから襟首を掴まれた。そして、引っ張られたと思ったら足が床から離れた。
ぶんっとむつは、投げ飛ばされて源太の近くに落ちた。背中を打ち、反動で頭を打ったむつは、すぐにちは立ち上がれなかった。
「むつっ‼」
「いったぁ…」
手をついて、起き上がろうとしたむつだったがふらついて壁に肩をぶつけた。
「むっちゃん‼大丈夫?」
颯介の声が後ろから聞こえてきて、むつは片手をあげて返事をした。背中も頭も痛い。




