7話
「源太、さっさとその身体を貰ってしまいなさい。ここまで、連れてきたんですからね」
「いや、俺はそういうのいいよ。むつと一緒に居たら楽しいから、それで良い」
源太が言うと、女性は舌打ちをした。
「禿の契約解いたりして、どういうつもり?」
「可愛い子の味方だから。だから、ここに来てるはずの山上の居場所を教えてくれるか?」
女性は、眉間にくっきりとシワを寄せた。源太が、むつたちの側についたのが気に入らない様子だった。
「自分で探しなさいよ」
「言われなくてもそうしますよ。源太行こ」
むつは、源太の手を取り反対側に歩き出そうとしたが、足を止めた。かしゃ、かしゃと音をたてて何が近付いてくる。それも1つや2つではない。
「むつ、沢山来るよ」
「そのようで…けど、ほら。うちの颯介さんも祐斗も強いから大丈夫」
ペンライトの光の届く範囲に木で出来た足が見えた。どうやら、人形は男しかいないのかもしれない。
「囲まれちゃった系?」
むつは源太から手を放すと、振り向いて女性が居る方を見た。しゅるしゅると裾をさばいて近付いてくるのは女の人形だ。足がないから、着物を着て隠しているらしい。




