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7話
むつは裏口に回ると、非常口に手をかけたがやはり鍵がかかっている。ポケットから出した式神は、はらはらと地面に向かって落ちた。着地をしようとして、失敗したのか顔を打つように倒れたが、すっくと立ち上がるとドアの隙間から中に入っていった。すぐに、かちりっと鍵の回る音がした。
静かにドアを開けてむつと源太が先に入り、辺りを確認してから颯介と祐斗を入れた。そこで、むつはドアを閉めようとし、冬四郎が慌てたようにドアを押さえた。
「何すんだよ」
「こっちの台詞よ。現役警官建造物侵入」
「何とかなる」
むつと冬四郎が顔を突き合わせ険悪な表情をして、小声で言い合っているとその間を通って西原が入っていった。
「ちょっと!!先輩」
手を伸ばして服を掴もうとしたが、するっとかわされてしまった。
「何かあった時に駆け付ける約束したろ?」
「…そうね」
むつと西原が照れたように笑いあうのを見て、むっとした冬四郎もずんずんと中に入っていった。
冬四郎と西原が入るとむつは、ドアノブを回しながら静かにドアを閉めて鍵をかけた。




