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7話
「社長を助けたい」
「手っ取り早いのは、かずえを消す事だな」
源太がはっきりと言うと、むつは首だけを動かして源太の方を見た。源太はいたって真面目なようだ。
「すでに人間じゃないからな」
「それをしたら…けど、社長は悲しむんじゃないかな。自分がどうなろうとも、かずえの為にしてるんだから」
「なら、このまま取り憑かれてその山上ってやつは消える」
「そう言えば、まだ聞いてなかったや。源太とあたしとの契約内容」
「壊してくれ」
「源太を?」
「俺も、あの人形ばっかりになった劇場も」
むつは再び冬四郎の足の上に頭を置いて、冬四郎の顔を見上げた。だが、それは冬四郎の顔というより、その上、天井の方を見ていた。
「颯介さんと祐斗はどう思う?」




