表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-人形の街-  作者: 幹藤 あさ
33/410

2話

「ブラックでいい?」


「ん、ありがと」


むつがマグカップを渡すと西原は、ふうふうしながら飲んだ。むつは西原の隣、誰にも使われる事のない椅子に座った。


「まだ、誰も来ないか?」


「うん…そうね、後30分は来ないかな。で、酔っ払い作戦は不発だったの?」


「まぁな、篠田さんには当たり障りなく逃げられた感じだな。まぁ嘘じゃないんだろうけど…そっちは?」


温かいマグカップを両手で包み、両肘をデスクに置いてきてむつは、うーんと唸った。


「微妙かな…まぁ仕事の依頼をしたいから、篠田さんに頼んで引き合わせて貰ったって聞いたけど」


西原はむつが一言一言をゆっくり話すのを聞いていた。言葉を選び、考えながら話しているな、と感じていた。


「…って言って納得しないでしょ?」


「まぁな。警視正からの仕事の依頼か?」


むつは首を横に振った。


「そこまでは…あたしに分かんないよーっ。今日休みなんでしょ?並んで来てよ、そのおはぎ屋さん何時から?」


真剣な口調だったが語尾に近付くにつれ砕けた、軽い調子に変わっていった。そして、人差し指を唇に押し当てた。続けて、その人差し指をドアの方に向けた。誰か居る、という事らしい。


「な、何時からだっけな?けどさぁ女の子ばっかりなんだよ。一緒に並んでくれよ‼だから、わざわざ来たっつーのに」


「はぁ?仕事だってーのもぅ」


全然違う話をしながら、2人はわざとらしく騒いでいたがその顔は真顔だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ