6話
「え、意味分かんない。あたしが被ったのは、最終的に沼井の奥さんの願い
?社長も自分の為の契約したわけじゃないの?…あ、そうか。あの人が動けなくなってからあたしの所に3つ目来たもんね」
「ま、そういう事」
源太にテーブルのあったタバコを取ると、肺に入れる事も出来ないのにぷかぷかと吸い始めた。
「何か、ややこしくなってきましたよ」
祐斗が疲れたように言った。それは、他の皆も思っていた事なのだろう。険しい表情の中に怒りが混じっていた。
むつも投げやりな様子で、タバコを吸い始めている。溜め息と一緒に細く吐き出された煙が天井辺りに広がっていく。
「とりあえず、元凶は沼井夫婦だな」
「あ、その沼井夫人はちなみに…人間なの?それとも取り憑かれてるの?」
「取り憑かれてる。ありゃもう、だいぶ前からだぞ?それでな、かずえに憑いた奴が願いを叶えたくて、旦那を最初に使ったんだけど死んだら困るってなって、山上を連れてきたんだよ。何か、昔からの付き合いだとかで」
冬四郎と西原もタバコを吸い始めた。部屋が煙で曇ってくると、祐斗がキッチンで換気扇をつけて、泊まるのに借りた部屋のドアを開けて窓を開けた。




