6話
「三文芝居かよ」
「三文っていくらですか?」
西原が呟くと、首を傾げながら祐斗が聞いた。流石に分からなかったのか、西原は横に首を振った。祐斗は冬四郎と颯介の方も見たが、こちらも分からなかったようだ。
「現価にして100円ってとこかな?」
「って事は、500円の稼ぎになったな」
むつがあっさりと言うと、源太は機嫌よさそうに笑った。そんな、むつと源太のいつの間にか仲良さげな様子を他の4人は遠巻きに見ている。
「で、話がだいぶ反れてるけど…」
颯介が本段に戻るよう言うと、源太はきりっと眉を上げた。だが、すぐにへなっと困ったように眉尻を下げた。
「何だっけ?」
「何で、むっちゃんの暗示を解いたのか。困ってるのを助けたかった、ってだけじゃないんじゃない?」
「あぁ、そうそう。いや?それが本当だよ。むつはさ、自分の為に契約したわけじゃないだろ?下手したら取り憑かれて、自分が自分じゃなくなるかもしんないのに、他人の為にしか契約しないってのが気に入ったからさ」
「ありがと。でさ、契約なんてあってないような物って言ってたけど…実際に弱ってる人も居るわけ。どうにか出来ないかな?」




