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6話
むつは立ち尽くしている、冬四郎たちにもとりあえず座るように促した。
「むつさん?」
「なーんかさ。悪いやつには思えないんだもん…何か、こいつ面白いな。気に入ったよ」
「まじ?じゃあ俺に乗り換えてよ‼」
「ふざけんなあほ」
颯介と祐斗は顔を見合わせて、困ったように溜め息をついたが、笑みを浮かべていた。
「何か、むっちゃんらしさが出てきたね」
「そうっすね…じゃあ、仕方ないしコーヒーでも入れ直しますか?いつの間にか、俺のオレンジジュースもないし」
「あ、あたしが飲んだ。ね、人形は?飲んだり出来るの?」
「出来ない。胃がないからな」
祐斗とキッチンに向かうと、西原も手伝うと言って席を立った。




