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6話
「空気読めるのか読めないのか分かんないけど…美味しいタイミングで戻ってきたよね」
むつが笑いを堪えたように言うと、西原が立ち上がって冬四郎の前まで行った。
「あー本当にジャケットのボタンしてないや、タイピンもしてないし…流石むつだな。で、宮前さん1発殴らせて欲しいっす」
「はぁ?何でだよ」
「あ、ついでに俺も俺も」
祐斗も冬四郎の前まで行くと、ついでのように颯介もついていった。状況がさっぱり分からない冬四郎は、降参ポーズをして後退した。
「むつ、どういう事だ?何か俺、いつの間にか悪いやつになったのか?」
「そうみたい。これ見て」
むつが足で転がしたモノを見て、冬四郎は驚きを隠せない様子だった。
「…何がどうなってんだ?」




