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6話
「さて…と」
むつがぴっと札を剥がすと、人形は再び冬四郎の姿になった。そして、紐から逃れようとぎちぎちと暴れているが、むつと颯介が縛り上げただけあって抜けられそうにはない。
「うわ…また、しろーちゃんになった」
「じゃあ、それ貼っとけよ」
「そしたら、話聞けないもん。あんた…」
むつが人形と話をしようとすると、玄関の方から物音がした。4人は黙って玄関の方を見て、耳を澄ませていた。ゆっくりドアが開いたが、がちゃんと音がした。そして続けて、がちゃがちゃと聞こえた。
「うわ、まじで?」
冬四郎の声だった。
「祐斗、チェーンかけてきた系?」
「あ、そういう系っす‼本物閉め出しちゃいました」
祐斗がぱたぱたと玄関に向かうと、チェーンを外して冬四郎と一緒に戻ってした。
「ただいまーって、むつ。まだ起きてたのか?何で寝てない?それに、何で閉め出したんだよ」




